HER2陽性局所進行または転移性乳癌のファーストラインとして、トラスツズマブ、ドセタキセルにカペシタビンを投与する治療法の方が、トラスツズマブとドセタキセルを併用投与する治療法に比べて、無増悪期間(TTP)と無増悪生存期間(PFS)が延長できる可能性がフェーズII臨床試験の結果、明らかとなった。カペシタビンの追加を評価するオープンラベル(どの薬剤を投与しているか分かる)の国際フェーズII試験CHAT(Capecitabine,Herceptin And Taxotere)の結果を、12月13日から16日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムでChristie Hospital NHS FoundationのWardley A氏が発表したもの。

 フェーズII試験はHER2陽性の局所進行または転移性の乳癌患者を対象とし、トラスツズマブとドセタキセルのみを投与する群(HT群、112人)と、さらにカペシタビンを加えて投与する群(HTX群、110人)に分けて行われた。トラスツズマブは最初8mg/kg投与され、その後3週おきに6mg/kgが投与された。ドセタキセルは、HT群では100mg/m2、HTX群では75mg/m2が3週間おきに投与された。カペシタビンは、1日2回950mg/m2を3週おきに1日目から14日目まで投与された。

 その結果、全体の奏効率はHTX群が70.5%(完全奏効が23.2%、部分奏効が47.3%)、HT群が72.7%(完全奏効が16.4%、部分奏効が56.4%)、全生存期間中央値は両群で統計学的に有意な差はなかった。一方、TTPはHTX群が18.6カ月に対して、HT群が13.6カ月、PFSはHTX群が17.9カ月に対してHT群が12.8カ月とHTX群が優れるという結果になった。

 HT群、HTX群ともに患者は投与に十分耐えることができ、循環器に対する安全性も他のハーセプチンの試験と一致していた。