抗CTLA-4完全ヒト抗体MDX-010(ipilimumab)を単剤で進行した転移性悪性黒色腫患者に投与した3件の重要な臨床試験の結果が、この製品を共同開発している米Medarex社とBristol-Myers Squibb社によって12月10日に報告された。

 これら3件の臨床試験(008、022、007と呼ばれている)のなかで、 008は特別プロトコル評価(SPA:市販許可獲得に必要なデータが得られるようFDAにプロトコルの評価を受けるもの)に基づいて行われたが、主要エンドポイントを達成できなかった。しかし、 022試験では明確な用量反応性が見られた。3件の最善の客観的奏効率は5から15%で、これまでの臨床試験と同等だった。反応は観察期間終了後も継続していた。

 なお、標準治療となっている抗癌剤とは対照的に、最高用量投与群の反応は、時間と共に上昇した。こうした反応パターンはユニークだ。安全性については、これまでの臨床試験と同様で、発生率が5%を超えた有害事象は、発疹、下痢、肝炎だった。

 転移性悪性黒色腫の治療の選択肢は限られていることから、Medarex社とBMS社は近い将来FDAと会合を持つ計画だ。現時点では2008年前半に市販許可申請を提出する予定だという。

 これら3件の試験は、計487人の進行した患者(ステージIIIまたはIV)を対象に、北米、欧州、南アフリカで行われた。いずれも、臨床活性と、12週以降の反応動態の経時的把握を目的としてデザインされた。3件とも患者の追跡は続いている。

 008はオープンラベルのシングルアーム試験で、標準治療後、または標準治療中に進行した155人の患者を対象に全奏効率を評価した。

 022は無作為化二重盲検試験で、治療歴後再発した患者、治療に反応しなかった患者、承認されている治療を忍容できなかった患者など216人を対象とした。

 007は二重盲検の無作為化比較試験で、116人の患者を対象に、予防的ブデソニド投与有り、またはなしで、ipilimumabの安全性を比較したもの。主要評価指標はグレード2+の下痢の発生率に設定されていた。

 治療歴のある転移性悪性黒色腫患者に対するipilimumab単剤治療は米国でファストトラック指定を受けている。

 ipilimumabはCTCL-4の活性を阻害する。CTCL-4の阻害は、免疫反応を持続的に高めると期待されている。この製品については、進行した転移性悪性黒色腫の他、前立腺癌、肺癌、膵臓癌、膀胱癌、乳癌、リンパ腫、白血病などを対象とする開発も進んでいる。