早期乳癌の術後補助療法として投与されるアロマターゼ阻害剤は有効だが、骨量の減少が問題となる。骨量減少を防ぐためにビスホスホネート製剤ゾレドロン酸を投与するが、骨密度が低下してから投与するよりも初期から定期的に投与する方が骨量減少の予防に有効であることが明らかとなった。12月13日から16日に開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで、Z-FAST Study GroupのBrufsky A氏が発表した。

 アロマターゼ阻害剤であるレトロゾール2.5mgを毎日5年間投与される1期から3a期の602人の閉経後乳癌患者を、最初から6カ月おきに4mgのゾレドロン酸を投与するグループと、Tスコア(若年女性 グループとの骨密度の比較)が−2より低値になるか臨床的な骨折がみられた場合にゾレドロン酸の投与を開始するグループに分けて試験は行なわれた。後からゾレドロン酸を投与された患者の、最初に投与が始められるまでの期間の平均は13.5カ月だった。また、すべての患者がカルシウムとビタミンDの投与を受けていた。主要評価項目は腰椎骨密度で、今回、36カ月までフォローアップした結果が発表された。

 最初からゾレドロン酸を投与されたグループ(189人)は、36カ月目で腰椎骨密度が平均で3.72%増加していたのに対して、後からゾレドロン酸を投与したグループは、平均で2.95%減少していた。全股関節の骨密度は最初からゾレドロン酸を投与されていたグループは平均で1.66%増加し、遅くから投与を開始したグループは3.51%減少していた。治療開始時のTスコアが−1と−2の間にあった患者は、最初からゾレドロン酸を投与した群は40.4%が正常域に戻ったの対して、後から投与した群は7.6%が正常域に戻っただけだった。当初より悪化した患者は、最初からゾレドロン酸を投与したグループは2.1%のみだったが、遅くから投与したグループは13.4%に上った。

 36カ月時点での骨折の発生率は、最初からゾレドロン酸を投与した群は5.7%で、後からゾレドロン酸を投与した群は6.3%だった。36カ月時点の疾患の再発率は、ゾレドロン酸を最初から投与した群は3.5%で、後から投与した群は6.9%だった。骨吸収の指標である1型コラーゲン架橋N-テロペプチド(NTX)の血中変化も、最初からゾレドロン酸を投与した群では36カ月間マイナスだったのに対して、後から投与した群では36カ月目で初めてマイナスになった。