英国Oxford大学のRichard Peto氏は、12月13日から16日に開催されているサンアントニオ乳がんシンポジウムのプレナリー講演で、1985年から世界規模で行われてきた臨床試験(Early Breast Cancer Trialist's Collaborative Group[EBCTCG])の成果を総括し、特に2005-6年における最新の結果について発表した。冒頭、Peto氏は1950年から2004年の間に世界中で行われた臨床試験などの結果、英国および米国における35歳〜69歳までの女性の乳癌による死亡者が減少したことを指摘し、臨床試験の成果を強調した。

 EBCTCG試験の中から、今回は以下の4つの治療法についての発表が行わわれ、各治療法によって生存率の改善が進められてきたことを示した。

・乳房切除術後の放射線療法(リンバ節の状態によって無作為化された3万人が対象)
・5年間のタモキシフェン療法(エストロゲン受容体とプロゲステロン受容体の状態によって無作為化された1万5千人が対象)
・アロマターゼ阻害剤(AI)対タモキシフェン(無作為化されたエストロゲン受容体陽性の2万人が対象)
・化学療法(年齢、ERの状態やレジメンによって無作為化された8万人が対象)

 そして、Peto氏は、継続的に死亡率を減少させるためには、乳癌の早期発見や局所管理、エストロゲン受容体陽性患者への内分泌療法や化学療法の重要性を挙げた。そして骨髄機能を廃絶する療法はタキサン系をベースとするレジメンなどよりもよいとは示されなかったことを指摘。10年以上にわたる長期のフォーローアップ、特に放射線療法やAI療法、タキサン系や高用量の臨床試験が必要である点を強調した。