ヒストン脱アセチル酵素阻害剤であるvorinostat(商品名「ZOLINZA」)が、多発性骨髄腫を対象とした2つのフェーズI臨床試験で、分子標的薬ボルテゾミブ(商品名「ベルケイド」)との併用により、抗腫瘍効果がそれぞれ48%、43%の患者に見られたことが、アトランタで開催された米国血液学会で発表された。

 1つ目の試験では、再燃または難治性の多発性骨髄腫患者24人に対し、vorinostatは1日2回200mgあるいは1日400mgを14日間投与した。ボルテゾミブは、0.7mg/m2 あるいは0.9mg/m2を4日目、8日目、11日目、15日目に投与する場合と、0.9mg/m2 、1.1mg/m2あるいは1.3mg/m2を、1日目、4日目、8日目、11日目に投与する場合に分け、これらを3週間おきに最大8サイクルまで継続した。

 その結果、最大耐用量は決定しなかったが、効果判定のできた21人中、部分奏効が5人、最少奏効が5人に見られた。用量制限毒性が2人に認められ、主な有害事象は24人中、悪心が14人、血小板減少が13人、下痢が12人、嘔吐12人、倦怠感10人、貧血6人、好中球減少が6人だった。

 2つ目の試験は、University of MarylandのAshraf Badros氏らによるもので、再燃または難治性の多発性骨髄腫患者23人を対象に、3週間おきに、vorinostat は1日2回100mg、1日2回200mg、1日に400mg、あるいは1日に500mgを4〜11日目に投与し、ボルテゾミブは1.0 mg/m2あるいは1.3mg/m2を1日目、4日目、8日目、11日目に投与した。

 その結果、最大耐用量は、vorinostatが1日に400mgを8日間、ボルテゾミブは1.3mg/m2と決定した。抗腫瘍効果は、患者23人中、部分奏効以上が10人に認められた。用量制限毒性は2人に見られ、グレード2以上の主な非血液毒性は、疲労感が9人、悪心が6人、嘔吐3人、下痢3人、肺炎が3人だった。