放射性同位元素イットリウム90で標識した抗CD20モノクローナル抗体製剤イブリツモマブ(商品名「ゼヴァリン」)による地固め療法が、進行性濾胞性リンパ腫の無増悪生存期間を有意に延長できることが明らかとなった。欧州とカナダの12カ国77施設414人を対象に行なわれた無作為化フェーズIII臨床試験FIT(First-line Indolent Trial) の結果、明らかとなったもの。12月8日から11日にアトランタで開催されている米国血液学会で、オランダUMC Utrecht/HOVONのAnton Hagenbeek氏が明らかにした。

 FIT試験は、寛解導入療法で完全寛解、不確定完全寛解、部分寛解が得られた患者を、無作為にイブリツモマブを投与する群(208人)と更なる治療を行なわない群(206人)に割り付けて評価したもの。イブリツモマブ投与群は、−7日目と0日目に抗CD20抗体製剤のツキシマブを250mg/m2投与し、0日目にイブリツモマブを体重1kg当たり0.4mCi投与した(最高で32mCi)。その結果、無増悪生存期間の中央値が、無治療群では13.5カ月であったのに対して、イブリツモマブ投与群では37カ月だった(p<0.0001)。

 サブグループ解析の結果、初回の寛解導入療法に対して部分寛解を示した群では、無増悪生存期間の中央値が、無治療群が6.3カ月に対してイブリツモマブ投与群では29.7カ月 (p<0.0001)、完全寛解を示した群では、無治療群で29.9月に対してイブリツモマブ投与群では54.6カ月(p=0.01)となった。

 また、イブリツモマブによる地固め療法後、初回の寛解導入療法に対して部分寛解を示した群の77%が、完全寛解に転化した。イブリツモマブ投与群のうち、76%が完全寛解、11%が不確定完全寛解を示し、全体の完全奏効率は87%となった。

 さらに分子レベルでの寛解をリアルタイム定量的PCR法(RQ-PCR)で測定したところ、イブリツモマブ投与群では、90%の患者で陽性から陰性へ転化した。

 FIT試験では、イブリツモマブの地固め療法が、患者の生活の質(QOL)に及ぼす影響も評価したが、2つの治療群で、QOLの質を示す変数に差は見られなかった。