慢性骨髄性白血病治療薬のニロチニブには、イマチニブとの交叉耐性は起こりにくいことが明らかとなった。イマチニブ抵抗性または不耐性のフィラデルフィア染色体陽性の慢性骨髄性白血病(CML)の慢性期、移行期の患者を対象に行なわれたフェーズII臨床試験の結果明らかになったもの。

 交叉耐性とはある薬物に対して耐性が生じた場合に、その薬物と類似の構造や作用を持つ他の薬物に対しても耐性が生じること。ニロチニブはイマチニブに構造が類似しているが、BCR-ABLキナーゼの選択的な阻害能力が30倍向上した製剤だ。成果は12月8日から11日にアトランタで開催されている米国血液学会で米Texas大学MD Anderson Cancer CenterのJorge Cortes氏が発表した。

 研究グループはイマチニブを1日当たり600mg以上投与しても病状が進行したか、4週間の投薬でも血液学的な奏効が得られない場合をイマチニブ抵抗性と定義し、細胞遺伝学的大寛解が得られないで、グレード3/4の副作用が起きた場合か、支持療法にもかかわらず、1カ月以上の連続したグレード2の副作用か、3回より多くグレード2の繰り返しが生じた場合を不耐性と定義した。ニロチニブとイマチニブの交叉耐性は、イマチニブ投与の中止の原因となった同じ副作用のグレード3/4のものが生じた場合と定義した。

 フェーズII臨床試験では、320人のCMLの慢性期患者のうち、29.4%に当たる94人が血液学的または非血液学的な副作用のためにイマチニブ不耐性とされ、そのうちの77%に当たる72人がイマチニブの投与でグレード3/4の副作用を起こし投与が中止されていた。127人の移行期の患者のうち、21.3%に当たる27人が血液学的または非血液学的な副作用のためにイマチニブ不耐性とされ、そのうちの78%に当たる21人がイマチニブの投与でグレード3/4の副作用を起こし投与が中止されていた。

 試験の結果、慢性期の患者では94人のうち非血液学的な副作用でイマチニブ不耐性とされたのは57人だったのに対して、ニロチニブ投与でグレード3/4の副作用を起こしたのは2人だけだった。血液学的な副作用でイマチニブ不耐性となったのは29人だったが、ニロチニブ投与でグレード3/4の副作用を起こしたのは16人だった。

 移行期の患者では27人の患者のうち非血液学的な副作用でイマチニブ不耐性となった患者は15人いたが、ニロチニブ投与でグレード3/4の副作用を起こした患者はいなかった。血液学的な副作用でイマチニブ不耐性となった患者は9人いたが、ニロチニブ投与でグレード3/4の副作用を起こしたのは4人にとどまった。