米Amgen社は、12月5日、抗上皮成長因子受容体(EGFR)抗体製剤であるパニツムマブ(商品名 Vectibix)が、転移性大腸癌に対する単剤治療薬として欧州で承認されたと発表した。EGFR 陽性でKRAS遺伝子の突然変異がなく、標準的化学療法が無効となった転移性大腸癌を適応としている。

 パニツムマブに関しては、治療薬の選択肢が少ない転移性大腸癌において、今年9月、欧州医薬品庁の医薬品委員会(CHMP)が承認に対して肯定的な意見を出しており、今回の承認はそれに基づいたもの。CHMPがまとめた意見には、バイオマーカーとしてのKRAS遺伝子の有用性を示したフェーズIII臨床試験「408」の結果が含まれていたと見られる。

 フェーズIII臨床試験「408」は、転移性大腸癌患者を対象にパニツムマブを投与した無作為化対照試験。腫瘍のKRAS遺伝子に変異がない野生型では、患者の約60%で無増悪生存期間(PFS)の延長が認められたが、KRAS変異のある患者では臨床的なベネフィットは見られなかったという。KRAS遺伝子は、抗EGFR抗体製剤セツキシマブでも、効果を予測するバイオマーカーの可能性が指摘されている。

 パニツムマブは、米国では転移性大腸癌に対して2006年9月に承認された。わが国では現在、フェーズIII臨床試験が進められている。