抗上皮成長因子受容体(EGFR)モノクローナル抗体製剤セツキシマブ(商品名「ERBITUX」)が、切除不能の大腸癌肝転移において、転移巣を縮小させ、手術による完全切除を可能にしたことが、Journal of Clinical Oncology誌10月10日号に発表された。

 転移性大腸癌患者の半分は肝転移に進行するが、転移巣を完全に切除できれば、5年生存率は50%に上るとされている。しかし転移性大腸癌に対するこれまでの化学療法では、肝臓の転移巣の完全切除は難しかった。

 このレトロスペクティブ研究では、2004年2月から2006年4月までに、初回化学療法が無効だった切除不能の大腸癌肝転移の患者151人を対象とした。このうちセツキシマブを含む化学療法を6サイクル(中央値)行った後に手術を施行した患者は27人だった。

 27人のうち、セツキシマブとイリノテカンが投与された患者は20人、セツキシマブとオキサリプラチンが4人、セツキシマブとイリノテカン、オキサリプラチンが1人、セツキシマブとカペシタビンが1人、セツキシマブ単独が1人だった。また27人のうち18人(67%)は他の化学療法を2回以上経験していた。

 手術を受けた27人のうち肝切除が行われたのは25人。追跡期間16カ月(中央値)の時点で、25人中23人(92%)が生存し、10人(40%)では病気の進行が認められなかった。またセツキシマブ投与後の生存期間中央値は20カ月、無増悪生存期間中央値は13カ月だった。このため研究グループは、セツキシマブを用いた併用療法は転移巣の切除率を上げ、他の化学療法が無効だった大腸癌肝転移に対して有用な治療法であるとしている。