18F-fluorodeoxyglucose(FDG)を使ったPET(陽子線放出断層撮影法)は、肺癌の診断および病期判定に有用であることが、複数の報告をシステマティックレビューした結果で明らかになった。この内容はJournal of the National Cancer Instituteの11月27日号に掲載された。

 今回の分析は、カナダInstitute for Clinical Evaluative Sciences(ICES)が2001年に行った肺癌診断におけるPETの有効性に関する評価を更新したもの。カナダCancer Care Ontarioの肺癌研究の一環として、Odette Cancer CentreのYee C. Ung氏らは、前回のICES評価に使われた21報に、新たに12報を加えて解析した。

 具体的には、孤在性肺結節に関する文献がICES評価で4報、今回の分析ではこれに3報を加えた。原発性非小細胞肺癌の病期に関しては合計で25報、非小細胞肺癌のうち縦隔腫瘍の病期は15報、胸郭外腫瘍の病期は1報、小細胞肺癌の診断および病期分類に関しては3報を対象とした。

 その結果、PETは1cm程度の腫瘍でも良悪性を的確に鑑別しうること、非小細胞肺癌の縦隔腫瘍における病期判定にはPETはCTよりも精度がよく、治療決定に有用であること、さらに小細胞肺癌においては83〜99%と高い精度をもち、進展型あるいは局所型の区別が可能であるとした。

 そのため、術前のPET検査は早期癌における手術成績を向上させることにもつながるだろうと述べている。さらに、PETが不必要な手術や化学放射線療法による罹患や死亡リスクを回避することができるならば、個々の患者だけでなく医療資源に対しても有用性が高いとしている。しかし、通常の肺癌診断にPETを組み込むかどうかはさらに検討が必要であり、Cancer Care Ontarioの別の研究グループ(Ontario Clinical Oncology Group)ではすでにPETに関する2つのプロスペクティブな無作為化臨床試験を進めているという。