家族性乳癌のリスク因子として知られているBRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子の変異は、男性乳癌のリスク因子でもあることがこのほど確認された。米Johns Hopkins大学医学部のSining Chen氏らの研究によるもので、研究結果はJournal of National Cancer Instituteの11月27日号に掲載された。

 同グループは、97人の男性乳癌患者を含む1939家族を対象に調査を行った。その結果、BRCA1遺伝子とBRCA2遺伝子に変異を有する男性では、変異を持たない男性に比べて乳癌の発症リスクが高いことを確認した。BRCA1遺伝子変異を有する男性の1.2%が70歳までに乳癌を発症し、BRCA2遺伝子変異を有する男性の6.8%が70歳までに乳癌を発症するという推計結果が得られたという。

 また遺伝子変異を有する男性では、30歳代、40歳代において、乳癌発症リスクは高く、加齢と共にそのリスクは低下するという。例えば、BRCA2遺伝子に変異を有する30歳代の男性は、同じ変異を有する70歳代の男性に比べて22倍も乳癌発症リスクが高かったという。

 BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子の変異は、日本人においても若年性乳癌の発症リスク因子となっていることが知られている。今回の研究が日本人にも当てはまるかどうかはさらなる研究が必要ではあるが、これらの遺伝子変異による乳癌が疑われる場合、例えば、若年性乳癌を罹患した女性が家系内に複数存在するような場合は、家族内の男性においても乳癌に注意する必要がありそうだ。