前立腺癌患者がしばしば、排尿障害や大腸機能障害など既往の症状にとって不適、禁忌である治療を受けている場合があることが明らかとなった。禁忌の治療やミスマッチな治療を受けたことで症状が悪化してしまう結果になってしまっているという。米Massachusetts General Hospital in Bostonのグループの研究結果で、詳細は、Cancer誌2008年1月号に掲載される。

 前立腺癌は、外照射療法や小線源照射療法、前立腺全摘出術が主な治療法だ。臨床試験の結果、これら3つの治療法の効果に違いはないが、それぞれの治療法によって尿失禁や性機能障害などのリスクがあることが知られている。

 例えば、大腸機能障害を持つ前立腺癌患者では、放射線照射を行うと、前立腺とともに直腸にも照射されてしまうため、急性や慢性の大腸機能障害につながってしまう可能性がある。また、排尿障害を持つ場合は、小線源照射療法を受けると排尿障害が悪化する可能性がある。

 今回、1994年から2000年の間で、未治療の局所前立腺癌患者438人を対象に調査をした結果、389人の患者は既往の症状があり、3分の1以上が不適な治療を受けていたことが明らかとなった。実際、小線源療法や外照射療法に不適な症例で排尿障害や大腸機能障害が悪化していることも明らかとなった。

 このようなミスマッチは、患者と医師の間のコミュニケーション不足で起こり、他の癌でも同様に、気づかない間に起こっていると推測されるとした。