肥満者では、前立腺癌の検診に用いられるPSA検査で、癌が見落とされやすい可能性が示された。これは、米国Duke大学医学校の研究グループによるもので、成果は11月21日のJournal of the American medical Association誌(JAMA)に掲載された。

 同グループは、肥満とPSA値の関連について、Duke大学で治療を受けた約1万3000人の前立腺癌男性を対象に、後ろ向き調査を行った。

 その結果、PSAの絶対量はBMI(Body Mass Index)には相関しないことを確認した。ただし、肥満者では血液量が非肥満者に比べて有意に多く、PSA濃度が低くなる傾向があることが明らかになった。

 すなわち、現行のPSA検査では、本来、体内のPSA絶対量は多いにもかかわらず、PSA値は低く検出される可能性があるということだ。PSA値が本来の数値よりも低く検出されることで、癌が見落とされる可能性もある。

 肥満者では、前立腺癌の発症リスクが高く、また前立腺癌による死亡リスクも高いことが既に明らかになっている。今回の研究から、肥満者ほど、PSA検査で癌が見逃される可能性があることが、肥満者の前立腺癌死亡リスクを高める1つの理由となる可能性が示されたといえる。

 また、血液量の多い肥満者では、PSA以外の腫瘍マーカーにおいても、本来の量よりも低い検査結果が出やすい可能性も示されている。