以前から、女性よりも男性の方が骨盤が狭く、皮下脂肪より内臓脂肪が多い傾向があるために腹腔鏡手術での視野が確保しにくく、手技が困難と言われてきた。埼玉医科大学国際医療センター消化器外科の山口茂樹氏は、11月19日に第20回日本内視鏡外科学会総会で、自験例から、実際に男性は女性よりも縫合不全を来したり開腹移行するケースが多く、性別は危険因子の一つと考えられたと報告した。

 対象は、腹腔鏡下大腸切除術を行った348人(男性211人、女性137人、平均年齢64.3歳)で、男女別、部位別に検討した。手術時間の平均は、男性結腸癌203分、女性結腸癌192分、男性直腸癌287分、女性直腸癌242分と、部位に関係なく男性で長い傾向にあり、直腸癌では有意差があった(p<0.05)。出血量も、男性結腸癌50mL、女性結腸癌32mL、男性直腸癌90mL、女性直腸癌48mLと、男性に多い傾向があった。

 開腹手術への移行例は、男性結腸癌4.5%、女性結腸癌2.8%、男性直腸癌9.1%、女性直腸癌3.4%と、男性に多かった。術後在院日数平均値は、男性結腸癌8.3日、女性結腸癌8.3日、男性直腸癌12.2日、女性直腸癌8.5日だった。術後の合併症は、男性結腸癌3.8%、女性結腸癌2.8%、男性直腸癌18.2%、女性直腸癌0%で、直腸癌では有意に男性に多く(p<0.05)、中でも縫合不全は全例男性だった。

 山口氏は、「長期成績はまだ検討していないが、男性患者に対しては、術前検査などで何か工夫が必要かもしれない」と話した。