骨転移を有する未治療非小細胞肺癌にシスプラチン、ドセタキセル、ゾレドロン酸の投与が安全で有効である可能性が明らかになった。

 肺癌は乳癌、前立腺癌に次いで骨転移が多く、骨転移は骨折などの骨関連事象を引き起こし患者のQOL(生活の質)をひどく悪化させる。また、前臨床試験でゾレドロン酸とドセタキセルの併用がドセタキセルの効果を増強させることがわかっている。しかし、一方でゾレドロン酸の副作用に腎毒性があり、シスプラチンとの併用は十分に安全だと言える段階にはない。今回明らかとなったのは9例という小規模な試験によるため、確実なことが言える段階ではないが、3剤併用の実現のための一歩と言えるだろう。

 成果は11月8日から9日に名古屋市で開催されている日本肺癌学会で静岡県立静岡がんセンターの津谷あす香氏によって発表された。

 臨床試験は骨転移を有する未治療の非小細胞癌患者9例を対象に実施された。1日目に80mg/m2のシスプラチン、60mg/m2のドセタキセル、4mgのゾレドロン酸を投与することを3週間毎に4回行なった。患者の年齢中央値は58歳(48-68)で疼痛のある患者が6例、NSAIDsを投薬されている患者が7例だった。

 試験の結果、3剤の併用でグレード1-2のクレアチニン上昇を9例中4例に、グレード1-2の低カルシウム血症は全例に認められたが、グレード3以上の非血液毒性は認められなかった。また、血液毒性はグレード3の白血球減少症と好中球減少症が9例中5例に認められた。研究グループは、一部の非血液毒性が強くなる傾向はあるが、忍容性は許容できる範囲とした。

 抗腫瘍効果は、症例数が少なく参考程度と前置きしながら、部分寛解(PR)が1例で奏効率は11.1%と発表された。疼痛の改善は6例中3例に認められ、骨関連イベントの発生は1例のみだった。無増悪生存期間中央値は167日で骨転移が増悪したのは3例だった。研究グループは、今後症例数を追加し、引き続き効果・安全性の検討を行なう予定としている。