グリベック(メシル酸イマチニブ)は、日本でも慢性骨髄性白血病(CML)治療における第一選択となっている。米Texas大学M.D. Andersonがんセンターの白血病部門の教授Hagop Kantarjian氏らは、イマチニブ投与期間が約6年と長期にわたっても、安全性と有効性は維持されることを確認した。詳細は、Blood誌掲載に先駆け、同誌電子版に07年10月11日に報告された。

 今回長期的な臨床転帰の評価対象となったのは、CMLを対象とするイマチニブ承認のベースとなったフェーズII試験の被験者だ。

 欧米の研究者たちからなるグループは、慢性期の末期にあるCML患者でイマチニブ治療を受けた454人を6年以上に渡って追跡した。このフェーズIIで被験者として登録されたのは、試験開始時に標準治療となっていたインターフェロンαに反応しなかった、または不耐性を示した患者だ。

 イマチニブは、開始用量を400mg/日とし、患者の反応を見ながら600mg/日または800mg/日に増量。6年を超えた時点でも44%の患者がイマチニブ治療を継続していた。

 推算された6年生存率は76%だった。Kantarjian氏によると、これまでは、インターフェロンα治療が失敗した患者の平均生存期間は3-4年だった。

 細胞遺伝学的著効(病気に関係する遺伝学的異常が認められなくなる)は被験者の57%に見られた。著効達成までの治療期間の中央値は8カ月だった。 

 全生存率と無増悪生存率は、12カ月間の細胞遺伝学的反応と強力に相関していた。治療開始から1年間に細胞遺伝学的反応が見られない、またはわずかだった患者は、イマチニブの利益をほとんど得られなかったという。

 重症有害事象の発生率は低かった。心機能の異常の報告は15例あったが、イマチニブとの関係が想定されたのは4例のみだった。有害事象または検査結果が異常値を示したことによる治療中断は35人だった。

 Kantarjian氏は「長期投与によって新たな毒性が表れることはなかった。特に、昨年懸念材料となった心毒性は、非常に希であることが明らかになった」と述べた。