カルボプラチンとゲムシタビンの併用投与が全身状態の良い高齢者(80歳以上も含む)の進行非小細胞肺癌の初回治療として、安全でしかも効果的なレジメンであることが多施設共同フェーズII臨床試験の結果明らかとなった。白金系製剤を使っているにも関わらず、高齢者でもQOL(生活の質)を維持できることも分かった。成果は11月8日から9日に名古屋市で開催されている日本肺癌学会で熊本赤十字病院の森山英士氏が発表した。

 臨床試験は70歳以上で全身状態の良い(PSが0か1)3B期/4期の患者54人を対象に実施された。このうち80歳以上の患者は39%にあたる20人だった。主要評価ポイントは奏効率で副次評価ポイントは1年生存率、無増悪生存期間、QOL、安全性だった。3週間を1コースとして、カルボプラチンは4AUCを1日目に、1日目と8日目にゲムシタビンを1000mg/m2投与した。QOLの調査は肺癌治療における患者の機能評価であるFACT-Lを用いて行なわれた。

 全体の投与コース数は176で、投与コース数の中央値は4(1-7)だった。176コースのうち8日目のゲムシタビン投与を飛ばしたのは38.1%に当たる67コースで、その理由の最も多いものは64%を占めた白血球減少症/好中球減少症だった。

 抗腫瘍効果は部分寛解(PR)が15例、安定状態(SD)が29例、進行(PD)が7例、不適格が3例で、奏効率は29%(95%信頼区間 16.9-41.9)、疾患制御率は86%になった。増殖抑制期間の中央値は3.9カ月で、全生存期間中央値は15.9カ月、1年生存率は52.8%だった。PD後のセカンドラインの治療が74%だった。

 QOLについては回答数が試験開始時328(回収率91.9%)、6週で294(82.4%)、9週で294(82.4%)、12週で272(76.2%)、18週で231(64.7%)だった。結果は、治療前後で改善したものは体重減少、咳、治療前後で一過性に改善したものは息切れ、胸部不快感、治療前後で不変だったものは思考、食欲、呼吸だった。血液学的な副作用はグレード3/4の白血球減少症が49%、好中球減少症が70%、貧血が29%、血小板減少症が47%だった。非血液学的な毒性はグレード4の一般的な倦怠感が1例認められただけだった。

 80歳以上と未満で年齢別解析を行なったが、80歳以上でPS0が有意に多かった以外は、背景因子、毒性、効果には差がなかった。80歳以上の超高齢者で治療前のQOLが良好な傾向があったが、年齢に関わらず治療後のQOLの変化はなかった。