米Merck社は、子宮頸癌予防用ワクチン「Gardasil」を、24歳〜45歳の成人女性に投与し、ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染により生じる病変の予防効果があることを確認したと、11月5日に発表した。成果は、中国で開催されたInternational Papillomavirus Conferenceで発表されたという。

 現在、子宮頸癌予防ワクチン「Gardasil」は、米国や欧州など85カ国で承認されている。ただし、対象者は、11歳〜26歳の女性に限定されており、年齢制限が存在する状態だ。

 同社は、今回、26歳以上45歳までの女性においても同ワクチンの有効性が示せたことから、米国食品医薬品局(FDA)に対して年内にも、同ワクチンの適応対象者を45歳まで広げることを申請する計画だ。

 今回の研究は、国際的に多施設共同研究であり、24歳〜45歳の健常な女性3800人以上が参加した。HPVの6型、11型、18型のいずれかに感染が無いことを確認したうえで、ワクチン接種群と非接種群に分けられ、経過観察が行われた。

 その結果、ワクチン接種1.65年後の中間解析では、非接種群では41人に子宮頸部に前癌病変やイボが生じていたが、ワクチン接種群で何らかの異常がみられたのは4人のみであった。すなわち、ワクチン接種により、ウイルス感染により生じる病変を91%(95%信頼区間 74〜98%)予防できることが確認された。加えて、HPV16型と18型に起因する細胞診の異常も94%減少させる効果も確認されたという。

 HPVは、どこにでも存在するウイルスであり、誰でも感染したことがあるといわれている。ただし、ほとんどの女性では、免疫系の働きにより自然にウイルスは排除される。しかし、なかには感染が継続する場合があり、感染が持続した場合、一部の女性で子宮頸部の病変を経て、子宮頸癌が発生する。ちなみに、日本人女性では、持続感染がある女性は、全人口の約7%程度と推測されている。