フランスSanofi-aventis社のがん治療薬「タキソテール注射用濃縮液」(ドセタキセル)をシスプラチン、5-フルオロウラシルと共に、局所進行型頭頸部扁平上皮癌の患者に対する導入療法に用いたフェーズIII試験2件の結果がNew England Journal of Medicine誌2007年10月25日号に報告された。いずれも、全生存期間の有意な延長を示した。

 大規模フェーズIII試験TAX323とTAX324は、いずれもオープンラベルで行われた無作為化試験で、遠隔転移のないステージ3または4の患者が対象。TAX324試験は主に北米で行われた試験で、「タキソテール」、シスプラチン、5-フルオロウラシル(TPF)を255人に、シスプラチンと5-フルオロウラシル(PF:標準治療)を246人に適用。導入療法終了後、両群の患者にカルボプラチンと放射線治療を併用した。その後、適応と見なされた患者に手術を実施。

 全生存期間の中央値はTPF群71カ月、PF群30カ月(ハザード比0.70、P=0.006)。これは、3年以上というめざましい生存期間延長と、死亡リスク30%減少を意味する。3年生存率はTPF群62%、PF群48%(P=0.0058)となった。

 得られた結果は、他の治療に先駆けて「タキソテール」を含む治療レジメンを適用すると、生存期間延長が見られることを示した。

 欧州で行われたTAX323試験(EORTC24971)試験は、手術不能の患者のみ358人を対象とした。TPF(177人)またはPF(181人)による導入療法後、両群に放射線治療を実施。追跡期間の中央値は51.1カ月で、主要エンドポイントに設定された無増悪生存期間は、TPF群が11.0カ月、PF群では8.2カ月(ハザード比0.72、P=0.007)。

 全生存期間の中央値は、TPF群18.8カ月、PF群は14.5カ月で、4.3カ月の延長となった。ハザード比は0.73(P=0.02)で死亡リスクは27%減少。全奏効率の最高値(BORR)もTPF群で有意に高かった。TPF群68%(120人)、PF群54%(98人)(P=0.006)。

 米国では、「タキソテール」を含むTPFレジメンは既に承認を得ており、欧州でもすでに欧州医薬品庁(EMEA)の承認勧告が得られている。