新たな分子標的薬テラティニブ(開発コードBAY 57-9352)をドセタキセルと併用投与することが進行固形癌に効果を示す可能性がフェーズIb臨床試験で明らかとなった。患者は一般的に良く投与に耐えることができ、抗腫瘍効果も確認できた。成果は10月22日から26日にサンフランシスコで開催された「分子標的とがん治療に関するAACR-NCI-EORTC国際会議」で英Royal Marsden HospitalのShaw H氏によって発表された。

 テラティニブは血管内皮成長因子受容体(VEGFR)-2、VEGFR-3、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)-β、c-kitのチロシンキナーゼを阻害する化合物で前臨床試験で大腸癌、乳癌、膵臓癌、非小細胞肺癌モデルに効果が確認されている。

 フェーズIb試験は、21日を1サイクルとし、1日目にドセタキセル75mg/m2を投与し、テラティニブは1日2回600mgを連日投与する群(6人)と1日2回900mgを投与する群(8人)に分けて行なわれた。最初の投与サイクルのみテラティニブの投与は3日目から開始された。

 抗腫瘍効果は部分寛解(PR)が3例(600mg群1例、900mg群2例)で奏効率は25%だった。安定状態(SD)が6例(600mg群3例、900mg群3例)で、50%の患者がSDとなった。PRと4カ月以上SDが続いた患者の割合は75%となった。2人の患者はそれぞれ12カ月以上と11カ月以上治療を継続して受けている。PRとなったのは前立腺癌、食道癌、子宮頸部癌だった。

 副作用はグレード3以上のなんらかの副作用をすべての患者が経験した。好中球減少症の出現はドセタキセル単独投与の場合に比べて有意に増加した。用量制限毒性は600mg群で1例グレード3の肝臓の酵素のALTやASTの血中レベルが上昇する症状が出たほか、900mg投与群でグレード4の倦怠感と好中球減少症が認められた。最大耐用量には到達しなかった。