スイスNovartis社は、10月29日、「グリベック」(一般名:メシル酸イマチニブ)抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病(CML)の治療薬として、経口チロシンキナーゼ阻害剤「Tasigna」(一般名:ニロチニブ塩酸塩水和物)が米国で販売認可を獲得したと発表した。慢性期と移行期の患者を対象に認められた。Tasignaが認可を受けたのは主要国ではスイスに次いで2番目になる。わが国では6月に申請されている。

 CMLは、骨髄の造血幹細胞に染色体相互転座が起こり、bcr-ablと呼ばれる遺伝子が生じることで発生する。現在CML治療の第一選択薬としてグリベックは、bcr-abl遺伝子が産生するチロシンキナーゼを阻害することで、高い治療効果を発揮することが証明されている。

 しかし、グリベック治療で十分な効果が得られない患者や治療に抵抗性の患者もいることが明らかとなっている。多くの場合、bcr-abl遺伝子に変異が生じ、グリベックの阻害作用が低下することが原因となっている。また、グリベックによる治療では、副作用で治療を中止するか、標準用量のグリベックの治療を行うことができないために十分な効果が得られない患者もいる。

 Tasignaは、変異型のBcr-Ablチロシンキナーゼに対する親和性を高めた薬剤で、グリベック抵抗性のBcr-Abl変異体に対して阻害効果を示す。臨床試験で、Tasignaを投与すると、グリベック抵抗性CML患者の慢性期の患者の40%で細胞遺伝学的大寛解が得られ、細胞遺伝学的完全寛解が28%で得られている。