アストラゼネカが開発を進めている血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)チロシンキナーゼ阻害剤AZD2171(cediranib)のわが国で行なわれたフェーズI臨床試験で有望な結果が得られたことが明らかになった。難治性の固形癌患者を対象とした試験で1日当たり30mgまで患者は十分に投与に耐えることができ、一部で抗腫瘍効果が確認された。また副作用のプロファイルや薬物体内動態は既に欧米で実施されたものと同様だった。

 成果は10月22日から26日にサンフランシスコで開催されている「分子標的とがん治療に関するAACR-NCI-EORTC国際会議」で国立がんセンター中央病院の山本昇氏によって発表された。

 フェーズI臨床試験には標準療法に難治性の固形癌患者16人が参加した。このうち非小細胞肺癌患者が5人で、大腸癌患者が4人、その他の癌患者は7人だった。1日当たりの投与量を10mg(3人)、20mg(3人)、30mg(3人)、45mg(7人)に分けて試験を行なった。患者は1回AZD2171の投与を受けた後、6日から8日空けたあと、1日1回AZD2171の投与を繰り返し受けた。

 頻度が高く見られた副作用は血中エリスロポエチン上昇、下痢、倦怠感、血中甲状腺ホルモン上昇、高血圧だった。30mg以下の群では用量制限毒性は見られなかったが、45mg投与群で評価可能であった6人中3人で4件の用量制限毒性(蛋白尿2件、下痢1件、血小板減少症1件)が見出され、30mgが最大耐容用量となった。

 抗腫瘍効果はRECISTによる評価で、8人の患者が安定状態となり、45mgの投与を受けた頭蓋内の軟部組織肉腫患者で部分寛解が得られた。2人の患者は病状が進行し、5人の患者は評価できる段階ではなかった。5人の患者(甲状腺癌2人、末梢神経鞘腫瘍1人、直腸カルチノイド1人、頭蓋内の軟部組織肉腫1人)は1年以上にわたり安定状態が続いており、投与を継続している。