アルブミン結合パクリタキセル(ABI-007)を3週間に1回投与するわが国のフェーズI試験で有望な結果が得られたことが明らかとなった。患者は投与に十分に耐えることができ、一部に抗腫瘍効果が国立がんセンター東病院と国立がんセンター中央病院の共同研究で確認された。成果は10月22日から26日にサンフランシスコで開催されている「分子標的とがん治療に関するAACR-NCI-EORTC国際会議」で国立がんセンター東病院の向原徹氏によって発表された。

 アルブミン結合パクリタキセルはわが国では大鵬薬品工業が開発をしている製剤で、パクリタキセルの化学療法効果を向上させながら、毒性を減少させると期待されている。

 フェーズI臨床試験は、投与量を3段階に分けて行なわれた。レベル1が200mg/m2、レベル2が260mg/m2、レベル3が300mg/m2で、いずれの群も3週間に1回30分かけて静脈注射で投与した。海外で行なわれたフェーズI試験でレベル3を超えた量が最大耐容用量とわかっていたため、レベル3を超えた用量は設定されなかった。

 2006年8月から2007年6月に登録された固形癌患者12で安全性、薬物動態、効果の評価を行なった。投与コースの中央値は2.5だった。

 試験の結果、いずれのレベルでも用量制限毒性はみられず、最大耐容用量は決定されなかった。そのため、レベル2とレベル3の末梢神経障害の頻度と海外での知見をもとにレベル2を推奨用量とした。主な副作用は貧血、白血球減少、好中球減少だった。非血液学的副作用は無力性、末梢神経障害、筋肉痛、脱毛、発疹、関節痛などだった。グレード3以上の副作用は白血球減少、好中球減少、末梢神経障害だった。発熱性好中球減少症と超過敏反応は生じなかった。薬物動態は欧米と同様だった。

 抗腫瘍効果は、3人の患者で部分寛解(PR)が得られたが、全て非小細胞肺癌患者だった。3人のうち2人は以前にタキサン系の抗癌剤を含む化学療法を受けたことがあった。また、安定状態(SD)は3人で認められた。