中外製薬は、10月22日、「切除不能な再発・進行性で、がん化学療法施行後に増悪した非小細胞肺癌」の適応で、上皮成長因子受容体EGFR)阻害薬であるエルロチニブ(商品名「タルセバ」)の製造販売承認を取得したと発表した。

 エルロチニブは、少なくとも前化学療法1レジメンが無効であった非小細胞肺がん患者731人を対象とした海外の大規模フェーズIII臨床試験(BR.21試験 Frances A et al. 2006;353(2):123)において、プラセボ投与群に比べ、全生存期間の有意な延長が確認されている。BR.21試験は、エルロチニブ投与群と薬剤を投与しなかった群の比較だ。

 一方、国内の日本人を対象としたフェーズI臨床試験(15例)、フェーズII臨床試験(108例、フェーズI試験継続分含む)においては、有効性と忍容性が確認されている。ただし、重大な副作用の1つとして頻度4.9%で間質性肺炎が報告されている。

 そのため、承認の条件として、「製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講ずること」「本剤の投与が、肺癌の診断、化学療法に精通し、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関・管理薬剤師のいる薬局のもとでのみ行われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講ずること」とが求められた。中外製薬は、全例調査は、3000例の集積を目標として、期間は30カ月を見込んでいる。

 中外製薬は、適正使用推進のため、エルロチニブを使用予定の医療機関および医師に適正使用や全例調査の協力について説明をした後に納入する予定だ。また、医師には、有効性や安全性、非小細胞肺がんの治療法を患者にするとともに同意を得られた場合に治療を開始するよう依頼するという。

 今回承認を得たのは、「タルセバ錠25mg」「タルセバ錠100mg」「タルセバ錠150mg」。用法・用量は、成人ではエルロチニブとして150mgを食事の1時間以上前または食後2時間以降に1日1回、経口投与するというもの。