抗上皮成長因子受容体抗体製剤セツキシマブFOLFIRI療法(アイソボリン5-FUイリノテカン)と併用することで、未治療の転移性大腸癌の腫瘍を縮小させ、癌の成長または広がりのリスクを減少させることが明らかとなった。また、肝転移のみの患者ではさらに効果が高まること、皮膚の発疹が強いほど効果が高いことが確認された。

 セツキシマブは米国では転移性大腸癌のセカンドライン、サードラインの治療薬として認可されている。今回明らかになったのは、転移性大腸癌のファーストラインの治療法としてのセツキシマブとFOLFIRI療法の評価を行うことを目的とした最初の大規模フェーズIII臨床試験であるCRYSTAL(Cetuximab Combined With Irinotecan in First-Line Therapy for Metastatic Colorectal Cancer)試験の詳細な結果。9月23日から27日にスペインバロセロナで開催された欧州癌学会で、ベルギーUniversity Hospital GasthuisbergのEric Van Cutsem氏が発表した。

 臨床試験は、2004年8月から2005年10月の間に、セツキシマブとFOLFIRIの併用療法を受ける群とFOLFIRI療法のみを受ける群に無作為に599人づつの患者を割り付けて行われた。

 試験の結果、無増悪生存期間はFOLFIRIのみの群が8カ月であったのに対して、セツキシマブとFOLFIRIを併用投与した群は8.9カ月となり、統計学的に有意な期間の延長が確認された。この数字は癌の増殖のリスクを15%減少させることを意味するという。また、奏効率もFOLFIRI単独群が38.7%だったのに対して併用投与群は46.9%と有意に高かった。

 また、サブグループ解析を行なった結果、肝転移のみのグループでは、無増悪生存期間はFOLFIRIのみの群が9.2カ月であったのに対して、セツキシマブとFOLFIRIを併用投与した群は11.4カ月となり、より効果が高くなることが明らかとなった。併用投与群では皮膚の発疹の強さに応じて無増悪生存期間が延長された。グレード0または1の患者では5.4カ月だったが、グレード2では9.4カ月となり、グレード3では11.3カ月だった。

 手術によって完全に腫瘍を切除できた患者の割合は、併用投与群が単独投与群に比べて3倍高かった。

 副作用は単独投与群、併用投与とも類似していたが、グレード3/4の下痢と(併用投与群が15.2%、単独投与群が10.5%)グレード3の皮膚反応(併用投与群が18.7%、単独投与群が0.2%)は併用投与群に多く出現していた。