局所進行膵癌に対する標準治療とされる化学放射線療法を実施する前に、ゲムシタビンとS-1による「GS療法」を行うことで、生存期間が延長することが国内のフェーズII臨床試験で明らかになった。国立がんセンター東病院医長の古瀬純司氏らの研究グループが、9月23日から27日にスペインバロセロナで開催された欧州癌学会で発表した。

 試験では局所進行膵癌患者20人を対象に、初回治療として、3週間おきにゲムシタビン(1000mg/m2)を1日目と8日目に、S-1(80〜120mg/日)を1日目から14日目まで投与し、4サイクル継続した。その後、ゲムシタビン(250mg/m2) を1日目と8日目に、放射線療法(30Gy)を2週間行った。続いて28日間おきにゲムシタビン(1000mg/m2)を1日目と8日目、15日目に2サイクル投与した。

 主要評価項目を、一連の治療が終了する6カ月目の無増悪生存(PFS)としたところ、当初50%と予想されたPFS率は70%となり、無増悪生存期間の中央値は8.1カ月(95%信頼区間 5.5-10.8)だった。また治療を完了した3人では手術による切除が可能となった。全生存期間の中央値は14.4カ月(95%信頼区間 9.7-19.0)だった。またゲムシタビン+S1治療によるグレード3/4の有害事象は、白血球減少が45%、好中球減少が50%、貧血が20%などだった。

 GS療法に関しては、今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO 2007)で、進行膵がん患者における国内のフェーズII臨床試験で、無増悪生存期間の中央値が5.9カ月、生存期間の中央値が10.1カ月と報告された。今回の結果はそれを上回る成績となっている。局所進行膵癌では患者の3分の1に微小な転移が存在しているといわれ、化学放射線療法の前に、ゲムシタビンとS-1による化学療法を行うことで、抗腫瘍効果を上げることが示されたといえる。