「サプリメントと経腸栄養を組み合わせて悪液質の症状緩和が可能」と藤田保健衛生大学七栗サナトリウムの薬剤師、二村昭彦氏。

独自の栄養フォーミュラで効果
 悪液質に対して、独自にガイドラインを作成して対応しているのが藤田保健衛生大学七栗サナトリウム(津市)だ。同薬剤課の薬剤師、二村昭彦氏は「比較的栄養不良が軽いうちから介入することが悪液質の予後に大きく影響する」と指摘する。

 二村氏のグループは、悪液質の患者に対して、「経口摂取可能症例」と「経口摂取不可能症例」に分けて、対応を変えている(表2)。

悪液質のマネジメントを討議するシンポジウムの会場には多くの薬剤師が足を運んだ。

 経口摂取可能症例に対しては、好きな食事を取ってもらうと同時に、本人の理解・承認が得られる場合には、同大学医学部外科・緩和医療学講座教授の東口高志氏が中心となって開発した症状・機能改善補助食品「インナーパワー」を使う。インナーパワーは、分岐鎖アミノ酸などの必須アミノ酸やL-カルニチン、CoQコエンザイム10、亜鉛などの微量栄養素を含み、エネルギー代謝を正常化する働きがあるという。二村氏は、32例を2群に分け、1群にインナーパワーを摂取させて、その効果を検証する無作為化比較試験を行ったところ、インナーパワーに血清アルブミンの低下の予防効果、倦怠感の軽減効果があることを確認したと報告した(インナーパワーは商品化されており、大塚製薬から販売されている)。

 また、グルタミン、水溶性ファイバー、オリゴ糖を投与する“GFO療法”をも実施している。この方法は、腸管絨毛上皮の増殖、腸管免疫機能の賦活化によって食欲増進、唾液分泌の促進、医療用麻薬の副作用である便秘の予防効果が期待できるという。

表2● 担がん・終末期がん患者の輸液・栄養管理
   ―悪液質を伴う例―

出典:藤田保健衛生大学七栗サナトリウム

神経障害性疼痛の緩和を目指して
【シンポジウム4】「新規抗うつ薬ならびに新規抗てんかん薬の鎮痛補助薬としての可能性」より

 シンポジウム4「新規抗うつ薬ならびに新規抗てんかん薬の鎮痛補助薬としての可能性」では、がん性疼痛をはじめとする様々な慢性疾患に基づく神経障害性疼痛の治療に鎮痛補助薬として用いられる、抗うつ薬と抗てんかん薬について、その有望性を基礎と臨床の両面から話された。

個々の患者に合った鎮痛補助薬を
 帝京大学医学部内科学講座緩和ケア内科の有賀悦子氏が「鎮痛補助薬(抗うつ薬、抗てんかん薬)の役割や位置づけ、その使用法や問題点」について解説した。

 有賀氏はまず、麻薬性鎮痛薬が有効性を示しにくい神経障害性疼痛は、特効薬が存在しないことから、臨床では抗うつ薬、抗てんかん薬など種々の鎮痛補助薬が併用されている現状を示した。