全生存期間で有意差認めず
 Siu氏らは、KRAS野生型の組織学的に転移CRCを確認できた患者を、brivanib+セツキシマブ併用投与群(376例)あるいはセツキシマブ+プラセボ投与群(374例)に無作為化し、治療効果を比較した。その結果、主要評価項目のOSは、brivanib+セツキシマブ群では中央値8.9カ月、プラセボ+セツキシマブ群では中央値8.2カ月と有意差は認められなかった(p=0.13)。

 副次評価項目のPFSでは、brivanib+セツキシマブ群:中央値5.0カ月、プラセボ+セツキシマブ群:中央値3.4カ月と有意差が認められた(p<0.0001)。また、治療奏効率は、brivanib+セツキシマブ併用群では完全奏効(CR)0 例(0%)、部分奏効(PR)53(14)、安定(SD)191(51)、進行(PD)87(23)、評価不能(NE)7(2)、奏効期間中央値(月)5.8 (5.1〜7.4)であったのに対し、セツキシマブ+プラセボ群では、CR 0(0)、PR 27(7)、SD 166(44)、PD 144(36)、NE 3(1)、奏効期間中央値(月)5.4 (3.7〜5.6)と、奏効パラメーターでは有意差(p=0.002)が認められたが奏効期間中央値では有意差は認められなかった(p=0.124)。

brivanib併用群で有害事象多く
 治療によるGrade 3以上の有害事象(副作用)発現率は、brivanib+セツキシマブ群(n=372)はプラセボ+セツキシマブ群(n=373)に対して有意に高かった(p<0.05)。QOLのアウトカムは、全体的な健康状態、身体機能ともにプラセボ+セツキシマブ群が優れていた。

 このような分析結果から、Siu氏は「brivanib+セツキシマブ併用投与による主要評価項目であるOSの改善は認められなかった。両群において奏効率およびPFSの改善が認められた。身体機能の低下までの時間、および全健康面でのQOLサブスケールは悪化していた。治療による副作用の発現は、両剤とも単独療法時に報告されたものと一致していた。セツキシマブの単位時間あたりの投与量は、brivanibを併用投与した際に減少した」と述べるとともに、「現在バイオマーカーの分析が進行中である」と述べている。

胃がん

エベロリムスは進行胃がんの死亡リスクを下げない

 経口mTOR(哺乳類ラパマイシン標的蛋白)阻害薬エベロリムスは現在、多くの国で、全身治療(化学療法)抵抗性の転移性腎細胞がん(mRCC)、切除不能、限局的な進行あるいは転移を示す増悪膵神経内分泌腫瘍(pNET)などに用いられているが、これまでに国際的なエベロリムス第3相試験の地域別分析で、日本人患者においてmTOR阻害薬に関連する選択的な有害事象(AE)の発現頻度が高いことが示されている。

 国立台湾大学医学部付属病院(台北)のKun−Huei Yeh氏らは、アジア人患者を対象とした、進行胃がんに対するエベロリムスを用いた大規模で国際的、無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験“GRANITE−1”において、エベロリムス(10mg/日投与)の安全性を評価した。

有害事象プロファイルは民族間で差なし
 その結果、エベロリムス+ベストサポーティブケア(BSC:対症療法)は、1〜2の化学療法を受療後に疾患進行が認められた進行胃がん患者の死亡リスクの有意な低減をもたらせなかった。

 アジア人患者の有害事象プロファイルは、アジア人以外の民族(rest of the world: ROW)患者で観察されたものと同様であり、エベロリムスで従来から認められているものと一致していた。

 ROW患者との比較で、エベロリムスおよびプラセボ投与のアジア人患者で全Gradeの発現頻度の高かった有害事象は、腹部痛(+15.6%)、血小板減少(+12.0%)、好中球減少(+10.6%)、発疹(+10.9%)、口内炎(9.9%)であった。領域(region)にかかわらず、エベロリムスに関連した有害事象の大部分はGrade 1もしくは2であった。アジア人患者10例、ROW患者3例で肺炎が認められ、最重度はGrade 3であった(アジア人1例、ROW患者2例)。

 これらの結果から、Yeh氏は「進行胃がん患者におけるエベロリムスの安全性プロファイルは、アジア人およびROW患者において同様であった。新規の安全性シグナルは同定できなかった。アジア人およびROW患者において、肺炎の発症頻度は低かった」としている。

(医療ライター:頓宮 潤)