副次評価項目のORRについては、奏効期間中央値はafatinib投与群11.1カ月、シスプラチン/ペネトレキセド併用投与群5.5カ月。ORRは全患者では、独立レビュー:56.1 vs. 22.6(p<0.001)、研究者レビュー:69.1 vs. 44.3(p<0.001)、一般的変異陽性患者では、それぞれ60.8 vs. 22.1(p<0.0001)、75 vs. 43.3(p<0.0001)と両群間に有意差が認められた。

 有害事象(副作用)に関しては、Grade 3以上の全有害事象は、afatinib投与群139例(60.7%)、シスプラチン/ペネトレキセド併用投与群63例(56.8%)、薬剤関連Grade 3以上の全有害事象はそれぞれ112例(48.9%)、53例(47.7%)であった。afatinib投与群では薬剤関連有害事象による死亡が4例(1.7%)認められた。

 また、afatinib投与群では、シスプラチン/ペネトレキセド併用投与群に比べ、咳、呼吸困難など肺がん関連症状の悪化に至る期間の有意な遅延が認められた。さらに、EORTC QOL C―30C―3によるQOLの評価でも、全体的な健康状態/QOL、身体機能、情緒(感情)的機能、認知機能、社会的機能などすべてにおいてafatinib投与群が優れていた。

 このような結果から、Chih−Hsin Yang氏は「afatinibによる1st−line療法は、EGFR変異陽性肺腺がん患者において肺がん関連症状悪化の遅延、QOLの改善によるPFSの有意な延長をもたらす」と結論付けた。OSに関しては、1〜2年中に分析結果が発表される予定となっている。また今後、afatinibと他のEGFR阻害薬とのhead to headの臨床試験の実施が求められている。

TS−1+シスプラチン併用療法の非劣性を証明

 分子標的治療により選択された非小細胞肺がん(NSCLC)患者のアウトカムの改善が認められる一方で、患者の大部分は最終的には細胞毒性を有する化学療法の対象となる。このことは、(化学療法が)患者管理の基礎(土台)となることを意味する。

 TS−1+シスプラチン(SP)併用療法は、第2相試験において有効性(活性)および良好な耐性が示されている。さらに進行非小細胞肺がん患者において、ドセタキセル+シスプラチン(DP)併用療法は、第2世代治療法のビンデシン+シスプラチン併用療法とのhead to head比較で、全生存期間(OS)、QOLにおいて統計学的有意差を示す唯一の第3世代の治療法であることが明らかにされている。

 東京がん化学療法研究会(TCOG)の片上信之氏(先端医療センター病院副院長)らは、DP併用療法に対するSP併用療法の非劣性を検討するためにCATS 試験を行った。

 未治療かつ、ECOG PS0〜1、臓器機能が十分なstage 3Bあるいは IV非小細胞肺がん患者を、経口TS−1 80mg/m2/day (40 mg/m2 b.i.d.) 第1〜21日連日投与(on days 1 to 21)+シスプラチン60mg/m2 第8日、5週毎投与群(on day 8 every 5 weeks)、もしくはドセタキセル60mg/m2 第1日投与(on day 1)+シスプラチン80mg/m2 第1日3週毎(on day 1 every 3 weeks)投与群に無作為に割り付け、6サイクルを上限とした。

 主要評価項目は、OS。非劣性試験デザインは上限信頼区間(CI)をHR<1.322とした。副次評価項目は、PFS、奏効率、安全性、およびQOLとした。

全生存期間、無増悪生存期間で非劣性を証明
 2007年4月〜2008年12月において、日本国内66施設608患者がSP投与群303例あるいはDP投与群305例に無作為に割り付けられた2件の暫定分析(interim analyses)が事前計画された。最終分析において、計480例の死亡イベントが確認された。主要評価項目であるOS中央値は、SP 16.1カ月 vs. DP 17.1カ月であり、両群間に有意差はなかった(HR=1.013; 96.4% CI, 0.837〜1.227)。PFSについては、SP群4.9カ月、DP群5.2カ月であった。有害事象(副作用)に関して、SP群はDP群に対し、発熱性好中球減少、Grade 3/4好中球減少、Grade 3/4感染症、Grade 1/2脱毛が有意に低率であった。EORTC QLQ−C30およびLC―13を用いた QOLのデータはSP群の方が優れていた。

 これの結果から、片上氏らは「TS−1+シスプラチンの併用は、進行非小細胞肺がんの標準的1st−line化学療法となる。シスプラチン+ドセタキセル併用群に対する、シスプラチン+TS−1併用群の全生存期間における非劣性が証明された」としている。

大腸(結腸・直腸)がん

VEGFR阻害薬とFGFR阻害薬の相乗効果認められず

 転移、化学療法後再発、K−RAS遺伝子野生型(wt)大腸がん患者に対しては、EGFR阻害薬のセツキシマブの効果が認められているが、これにVEGFRおよびFGFR(線維芽細胞成長因子受容体)阻害作用を有するbrivanibとの併用による相乗効果が期待されている。カナダPrincess Margaret 病院(トロント)のLillian L. Siu氏は、NCIC CTG CO.20の分析結果を報告した。

 これまでに、NCIC CTG CO.17相関分析におけるKRAS(変異)状況の後ろ向き(レトロスペクティブ)分析で、野生型腫瘍において、セツキシマブ単独の効果示されており、またKRAS野生型大腸がん患者に対するセツキシマブ+brivanib(BRIV)併用療法第1/2相試験の後ろ向き(レトロスペクティブ)分析では、PFSの延長効果が示されている。