PFS、OSともに有意差を認めず
 結論からいうと、R-CHOP-21群とR-CHOP-14(+G-CSF)群との間でPFSにもOSにも有意差は認められなかった。PFS中央値は、R-CHOP-21群の3.7年に対してR-CHOP-14群では4.7年だったが、3年PFSはR-CHOP-21群の57%に対してR-CHOP-14群が58%、6年PFSではそれぞれ41%と43%で、ハザード比は0.92[95%CI,0.68-1.25;片側p=0.30]だった(図2)。いずれの治療群もOS中央値に達していないが、6年OSはR-CHOP-21群の87%に対してR-CHOP-14群は88%で、ハザード比は1.15[95%CI,0.57-2.30;片側P=0.65]だった(図3)。

 濾胞性リンパ腫では予後因子としてFLIPI分類(Follicular Lymphoma International Prognostic Index)が2004年に報告されている(表2)。本試験では、登録された患者群をFLIPIによるリスク因子に従って「低」、「中」、「高」のリスク群に分類してサブセット解析をしたが、いずれのリスク群においてもPFS、OSに有意差は認められなかった。

有害事象には違い、いずれも制御可能のレベル
 一方、有害事象で両群間に違いが見られた。Grade4の好中球減少症の出現率は、R-CHOP-21群では126例(85%)だったが、G-CSFを併用したR-CHOP-14群では56例(37%)にとどまった。またGrade3の感染症もR-CHOP-21群が35例(23%)に対してR-CHOP-14群が18例(12%)だった。一方、Grade3の末梢神経障害は、前者が3例(2%)に対し、後者で11例(7%)とより多く認められた。しかし、これらを含め、いずれの有害事象も補助療法により制御可能のレベルにとどまった。

今後の焦点はCR達成後の治療法
 渡辺氏はこのJCOG0203試験の結果から、「iB-NHLに対してG-CSFを併用してまでR-CHOP療法の間隔を短縮してもPFS、OSが改善しないことが明らかにされた。つまりR-CHOPにdose dense(密な投与)戦略を採用する根拠はないことが確認された」と総括した。同氏は「初回治療としてのR-CHOP療法はORRやOSの観点からは有効性が高いが、いずれの治療でも6年を経過すると半数近くが再発する。今後はR-CHOP療法によるCR達成後の治療、あるいはさらに長く持続するCRに到達できるような初期治療を検討していく必要がある」と語る。

 日本国内ではまだ承認されていないが、欧米では、高腫瘍量の濾胞性リンパ腫に対するリツキシマブによる維持療法や、リツキシマブを含まない化学療法後の放射性免疫療法であるゼヴァリンによる地固め療法の有用性が報告されている。また、リツキシマブにベンダムスチンを併用するRB療法が有効とする報告もあるが、ベンダムスチンの長期使用の経験がないために評価は固まっていない。何割かの患者ではR-CHOP療法で何年にもわたって再発をしない可能性が考えられるが、今後のiB-NHLを対象とする臨床研究の焦点は、R-CHOP療法後の再発、再燃時またはそれ以前、あるいは初期治療にどのような治療法を導入するかということになりそうだ。