2006年に開設した外来療法室(5床)を今年4月に外来化学療法センター(10床)としてリニューアルオープンした。2008年度の治療件数は430件だった

Cancer Boardで院内の意思統一
 霧島に戻った三阪氏はまずCancer Boardを2007年1月に立ち上げた。目的はがん化学療法に関する院内スタッフの意思統一をはかることだ。がん診療連携拠点病院では、指定の要件としてCancerBoardの設置が義務付けられているが、指定の可能性がない同センターでは「毒の管理をきちんとしなければ」という実務的な要請からといえる。会の開催頻度は月1回、実際に参加する例は少ないが、地域のほかの医療機関の医師や薬剤師の参加も認めているという。

 設置に当たって掲げた目的は下記の4つ。特に、新薬が登場した場合にどのような手順で治療に取り入れるべきかを治療に関係するスタッフが一堂に会して確認する。治療方針を統一することによってミスを減らすことを期待する。また、有害事象が発生した場合は、応急処置に必要な器具や薬剤をまとめたレスキューセットもCancer Boardでの議論をもとに作製した。オキサリプラチンのアレルギー対応、血管外漏出、冒頭のインフュージョンリアクションに対応するセットを揃えた。

霧島市立医師会医療センターのCancer Board の目的

1.院内に新しく導入する診断、治療法の検討
・新しく導入する治療法の提示
・化学療法新規登録レジメンの検討と導入の決定
2.有害事象対策、前処置の標準化
3. 化学療法導入症例、治療変更例の全例の提示と治療決定、治療の妥当 性の検討
4.症例検討
・問題症例、インシデントなどの提示と検討
※地域にもオープンにして、地域連携を促進する

 新規に導入するレジメンはパソコンをベースの院内データベースにすべて登録する。このシステムの作製は癌研の研修に参加した薬剤師の砂田氏が中心になって行っている。新規登録の際はCancer Boardで報告する。データベースによる一元管理はCancer Boardの理念である意思統一の具現化プロセスでもある。

(左)Cancer Boardはがん医療に携わる全職員が参加する
(右)新規導入レジメンはCancer Boardの重要課題