窪田 和巳 氏 Kazumi Kubota, MS, RN, PHN
年齢 : 28歳(2010年4月現在)
現在の職業 : 日本看護連盟幹事/東京大学大学院博士課程在籍中
(大学院では精神保健学分野に在籍し、看護職をはじめとした労働者のメンタルヘルスに関する研究を行っています)
現在の勤務先 : 日本看護連盟
出身大学・学部・卒業年度 : 名古屋市立大学看護学部(2005年3月卒)
東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻修士課程(2009年3月卒)
臨床専門分野 : CCU病棟勤務
+αの道に入る前の臨床経験年数 : 2年
+αの道に入った際の年齢 : 25歳
+αの道の種類 : 看護政策・政治
何故+αを選んだのか

 日本看護連盟(以下、看護連盟)は、国内最大の看護職による政治団体です。現在、私は看護連盟の中で若手看護職のネットワーク(青年部)を作るお手伝いをしています。また看護協会・看護連盟が主催の研修で看護政策に関するお話をさせていただいています。

 元々+αの道に進むきっかけは、現在の上司との出会いからでした。学生時代から看護管理分野への関心があり、学びを深めようと大学3年生時に日本看護管理学会へ参加した際、知人の紹介で初めてお会いしました。その後は、私が地方にいたため主にメールでやり取りを続けていましたが、大学を卒業して都内の病院で看護師として働き始めてしばらく経った頃にあるお誘いを受けました。それは若手看護職を集めて看護政策・政治に関する勉強会を行いたいので、私にもこないかというものでした。即答して、勉強会に参加してみると同じ年代の若手看護職10名程度が集まっており、講義や意見交換を活発に行いました。そのようなやり取りが続く中で、看護・医療現場をより良いものにするためには個人の努力では解決できない問題があり、その解決には制度そのものを改善していくことが重要であることを学びました。同時に、将来自分も何らかの形で看護職の社会的地位の向上のために貢献したいという気持ちが高まってきました。

どのようにして+αの道に入ったのか

 勉強会を何度か重ねる中で、ある時、現在の上司から「看護連盟の幹事として働いてほしい」と声をかけていただきました。

+αの道はどうであったか、何を学んだか

 私に与えられた仕事は、全国の若手看護職が政治・政策に関心を持つための仕組みづくりでした。まずは東京で行っていた勉強会のメンバーを中心に全国各地へ赴き、同世代の看護職との勉強会・交流会をするところからはじめました。しかし、ほとんどゼロの状態から人集めや勉強会の内容づくりを考える過程で大変な時間と労力を費やしましたし、せっかく各地でつながりができてもその場を継続・発展させていくことは簡単ではなく、試行錯誤の連続でした。その中でも少しずつ仲間が増えていき、発足から約3年が経った現在では多くの都道府県で若手看護職のネットワークができています。主な活動としては、彼ら自身が主催者としてイベント(ワークショップや研修)を開催しています。イベントでは、講演やシンポジウム、グループワークなどを通して、参加者に政治・政策への関心を持ってもらう機会を作っています。

 またある県では地元議員の方と一緒に病院見学をしたり、勉強会を企画して、議員と看護の問題について意見交換する場を設けはじめました。看護職の労働条件の実態を知っている政治家の方は決して多くないため、このような機会を作ることは、制度を動かす一因になると信じています。

 私自身、看護職が制度に対して関心を持つことが重要であると認識しながらも、そのことを人に伝えることは容易でないと実感しています。しかしながら、講演活動やイベントを仲間と一緒に作る中で、伝え方が少しずつわかってきたように思います。

現職に+αはどう生きているか、または現職が+αそのものの場合は、臨床経験が現在どう生きているか

 2年間の臨床経験は私が看護職として一生あり続けたい!と思うアイデンティティを創った大事な時間でした。決して恵まれた労働環境だったとは言えませんが、その中でも患者に対して真摯に向き合う先輩や同僚と一緒に働いていて、この道に進んで良かったと心から思います。一方で、そのような仲間が高いストレスや心の病気を抱えて離職される姿を見て、この現状を何とかしたい!という気持ちを強く持つようになりました。これらの経験が今の自分の原動力になっているように思います。

今後どのようにキャリアを形成していくか

 当面はこのネットワークがより多くの地域で広がっていくように頑張りたいと思っています。残念ながら現在の看護教育で政治・政策の重要性を伝える場面は多くありませんし、就職後も然りです。そういった看護職がこの場を通して一人でも多く政治・政策の重要性を実感してもらうことが、結果として労働問題の改善につながると強く信じています。

 全国の仲間たちとのつながりを持ち続けていければ、5年後、10年後はきっと今より大きな力になるはずです。その力を持って看護職の社会的地位の向上や、社会がよりよいものになるような働きかけをしていくことが現在の夢です。

 その中で自分がどのような仕事に就くかはまだ考えている最中ですが、看護職であるというアイデンティティを持ちながら、何らかの形で社会に貢献できる道を見出していきたいと思います。

ブログ・ホームページなど
日本看護連盟 http://www.kango-renmei.gr.jp/
ご自身が紹介されたマスコミ媒体など
ナースのための「看護と政治」入門 ナーシングトゥディ2009年3月号