深部静脈血栓症に危機感、facebookで発信
 17日の日曜朝には深部静脈血栓症の患者さんが6人搬入されてきた。うち2人は心肺停止状態だった。重症の3人については県外の病院にヘリで広域搬送することになった。

 循環器内科医として危機感が募ったため、その日のうちに 当科のfacebookページに啓発記事を載せることにした。おかげさまで現在までに4300件近くのシェアがあり、40万人に読んでもらえた。一定の効果(影響)はあったかと思う。

済生会熊本病院心臓血管センター-循環器内科のfacebookのページ

 幸いなことに地震発生後においても、院内の食糧や医療用品は患者さんに提供できる状態だった。なぜなら、当院は災害拠点病院であり、日頃から食糧や医療品を備蓄しているほか、同じ済生会グループなどからの支援などがあったためだ。途中、外傷患者に最初に使用する細胞外液補充液の「1号輸液」が不足したときがあったが、物流が回復したことや済生会グループからの支援などもあり、月曜の夕方には全て揃った印象で、問題なく医療を提供できた。ただし、当院と関わりの深い地域の連携医療機関では物資の不足が問題になっていた。

 その後、全国からDMATが駆けつけてくれ、数十チームほどが3日ずつ活動してくれた。

 我々の施設は400床ほどの病院だが、地震直後から軽症患者をどんどん退院させるなどしてベッドを空けるようにした。予定手術や検査もキャンセルし、退院していただいた。病棟が患者であふれかえった時期は420〜430床くらいで稼働していたがた、今では300床後半くらいに落ち着いている。

 キャンセルした手術・検査は、全て4月25日以降に再調整した。地震が起きたことで、ちょうど1週間ほど実施時期をずらしたかたちになった。そのため今週は、救急のカテーテルばかり実施していた。

面倒な災害訓練も役に立つときが来る
 月並みな言葉ではあるけれど、普段の備えを怠らないことが大切。「忙しいのに何でこんなことをやらなければならないのか」とつい思いたくなるような災害訓練や、無駄になるかもしれない食糧の備蓄なども、今回役に立った。初動対応がうまくいったのはこれまでの準備と訓練のおかげだと感じている。

 まさか我々のエリアで大地震が起きるとは思っていなかったが、日本の活断層マップをみるといたるところに存在するので、日本のどこでも起きり得ると認識して、常にそういうシーンを想像して訓練をしていくことが非常に大事ではないか。そう感じている。(談)