しみず ひろのぶ氏
1988年横浜市立大卒。同大整形外科に入局、関東労災病院、河北総合病院、長津田厚生総合病院などを経て、2012年10月、開業。
写真:秋元 忍

 清水脊椎クリニックは、顕微鏡を用いた低侵襲脊椎手術を得意とする、18床の有床診療所だ。

 清水脊椎クリニックを訪れるのは、椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症などにより頸部や腰部の慢性痛に悩む患者。これらの疾患では、「脊椎の神経が圧迫されることで慢性的な痛みが生じている。その圧迫を手術で取り除ければ、慢性痛から患者を解放できる」と清水は言う。

 清水脊椎クリニックで治療を受ける患者の年齢層は、「20〜40歳代が3割、50〜60歳代が3割、70歳以上は4割」と、若年の患者が多い。また、8割以上の患者は診療所のある調布市以外の遠方から来院している。腰部の疾患が6割、頸部の疾患が4割を占める。

 外来患者は月に550人程度、土日以外は毎日手術を行い、月当たりの手術数は30〜40人ほど。手術後は1週間弱の入院が基本となる。手術を専門とするため、手術が適応にならないと判断した患者は他院に紹介することもある。

顕微鏡を用いて低侵襲で治療
 手術は、主に顕微鏡下で行う。顕微鏡下手術の特徴を清水は、「顕微鏡下手術の切開部位は2〜3cmと、内視鏡下手術の約1.8cmに比べて少し大きいが、術野は30倍に拡大され、3次元で見ることができる。操作性も優れるので、手術時間も短縮できる」と説明する。

脊椎の顕微鏡下手術を実施中の清水(右)。
(写真提供:清水脊椎クリニック)

 脊椎の手術は、神経のすぐ近くで治療を行うため、神経を傷つけ、麻痺という重篤な有害事象を生じるリスクがある。しかし脊椎手術を数多くこなしてきた清水は、「手術で一番怖いのは、偶然に生じ得る感染症」と断言する。感染のリスクを最小限にするためにも、低侵襲で短時間に手術を行うことが重要と強調する。

 長津田厚生総合病院(横浜市緑区)脊椎センター所長を務めていた清水が開業を目指したのは、「ヘルニアの低侵襲手術のように、少ないマンパワーで実施可能で、手技が確立した手術は、クリニックが主体的に実施する時代になる」との考えからだった。そうすることで、「大学などの研究機関は、採算度外視で新しい治療方法の開発や、集学的な診療が必要な疾患に集中できるだろう」とも言う。

 もちろん、開業を考えた理由の一つに、生涯、現役でいたいとの思いもあった。