宮城県医師会会長  伊東潤造氏
(写真:越後谷 出)

 震災直後から、DMATを皮切りにJMATや各種病院団体が多くの医療者を派遣してくれました。受け入れ側のコーディネート機能などの問題で当初は混乱しましたが、おかげで県内の医療事情は落ち着きつつあります。

 ただ沿岸部では、診療制限を余儀なくされている病医院がまだ少なくありません。結果、軽症患者は診療所、重症患者は高度医療機関で対応する“患者のすみ分け”がうまくいかず、稼働している一部の病院に患者が押し寄せ、負担感が増す状況が続いています。

 今は全国からの支援者が多いので大丈夫ですが、これは永遠に続きません。支援が途切れたら地域医療は立ち行かなくなる恐れがあります。国は、地域の医療機能を上げるために、診療を再開できずにいる医療機関に財政支援策を講じてもらいたい。

 喫緊の課題は、避難住民への医療支援に全力を挙げること。行政とも連携して、まずは避難所の集約と質の向上を進めながら、住民が必要なケアを受けられるようにしたい。しばらくは全国からの支援者の援助が必要ですが、早期にわれわれ地元医師が責任を持って引き受けるようにします。県医師会として会員参加型の支援チームを作り、そのチームが巡回して避難者支援を続けていく構想を考えています。

 また今後、被災地の再建が始まります。この町づくりに医師会も積極的に関わらなければならないと強く感じています。東北地方は元々医師が少ない地域で、限られた医療資源を効率良く使う必要があります。合理的な医療提供体制を創出するには、しっかりした町の復興が求められます。魅力ある町づくりと医療機関の適正配置を一体的に進めたいと思います。(談)