アメリカ疾病予防管理センター (CDC)が、2004年のインド洋津波の復旧経験などを受けて作業をどのように安全に進めていくべきかをまとめたリポートなどをもに、北里大学医学部衛生学公衆衛生学講師の和田耕治氏らが地震や津波が起こった際の対処方法を自身のWebサイトに掲載している。日経メディカル オンラインでは、同氏の許可の下、同サイトを編集、転載させていただいた。


 災害現場で作業していると、自分自身の精神や身体の状態をチェックすることの必要性を忘れがちになります。しかし、自分自身を守ることは、現場で作業に集中するためには必要なことです。

1.自分のペースを守りましょう
 災害現場での作業は数日から数週間におよぶ長丁場です。健康を保つために、可能な限り規則正しい生活をしましょう。特に、規則正しい食事や睡眠は極めて大切です。無理をせずチームのスケジュールや交代時間を守りましょう。

2.頻繁に休憩を取りましょう。
 災害現場は危険ですから、長時間作業することによる精神的な疲労は、ケガの原因になります。意識的に、できれば作業現場から離れた場所で休憩を取るように心がけましょう。特に、飲食するときには、できるだけ清潔な場所を探しましょう。

3.水分・栄養をしっかりとりましょう。
 水やジュース等で水分を充分にとるように心がけて下さい。また、健康を保つために、いろいろな食物を食べるようにしましょう。特に、炭水化物を多く摂るようにしましょう。

4.他のメンバーにも注意しましょう。
 あなたの同僚は作業に熱中しすぎて、危険が迫っているのに気付いていないかもしれません。

5.自分のメンタルヘルスに気を配りましょう。
(1)指揮命令系統や組織、設備の故障など、どうしようもないトラブルを抱えると、ストレスに感じてしまうことがあります。変えようがない事実があるということを認識し、受容することが必要です。

(2)人に何かを話したいと思った時には、できるだけ話をするようにしましょう。自分の経験したことについて話をするタイミングは自分で決めることが大切です。ある出来事について話をすることは、その出来事を追体験することになる恐れがありますので、どこまで話すかは自分で決めてください。

(3)自分がふさぎ込んだ気持ちになることを許してあげてください。今、あなたは困難な状況にあるのですから。

(4)同じような考えや、夢、フラッシュバックが繰り返し起こるのは当然のことです。それらと戦おうとしないでください。これらは、時間をかけて減少していきます。

(5)できるだけ頻繁に、家族や友人とコミュニケーションを取るようにしましょう。

(6)公的なメンタルヘルスサポートがあれば、利用してみましょう。

参考
http://www.cdc.gov/niosh/docs/2002-107/pdfs/2002-107.pdf

ご担当いただいた先生方
多田隈潔・西本真証・石丸知宏 産業医大産業医実務研修センター
黒石真紀子 西日本旅客鉄道株式会社 健康増進センター
荒薦優子 三菱電機(株)
田中優子 和歌山労災病院 脳神経外科
河津雄一郎 平和堂統括産業医
どうもありがとうございました。