3月17日、東北地方へのDMAT出動が終わったのもつかの間、厚生労働省医政局DMAT事務局から福島県へのDMAT出動要請が入る。内容は、福島第一原子力発電所の事故の影響で医療活動の継続が困難となった病院施設から、患者を広域医療搬送するというもの。今氏のほか医師2名と看護師の4人でチームを組み、八戸DMAT隊として出動した。1日目「福島県飯館村公民館」での活動については、こちらから

 八戸市民病院救命救急センターのスタッフブログ「青森県ドクターヘリ スタッフブログ」http://doctorheli.blog97.fc2.com/


写真1 6隊のDMAT隊員が7時半に集合。統括するのは八戸DMAT隊。

●川俣高校の校庭が搬送作戦の舞台
3月19日の朝、指示通り7時半に福島県庁に集合した。
本日の活動拠点は福島県立川俣高校(福島県伊達郡川俣町)の校庭と決まっていた。
メンバーは6隊のDMAT隊員から成り、やはり統括は八戸DMAT。

8時に県庁を出発して、6台が編隊を組んで進む。
9時には川俣町に到着。

写真2 自衛隊員らとあいさつを交わす。

この日のミッション責任者として、自衛隊の伊藤、松田一尉が出迎えてくれた。
福島県警の職員も一緒に、簡単に自己紹介を済ませ、校庭に向かった。

川俣高校の校庭は広く、体育館がありトイレもあり水も出る。
地面が土であることを除けば便利が良く、ここを搬送作戦の拠点とした。
放射能数を計測したところ、5000cpm。
飯館村公民館の駐車場で計測した2万cpmよりはマシだ。
ただし、飯舘ではアスファルト上の作業だったが、川俣は校庭の土と砂が風で舞い上がるのが問題だ。

写真3 川俣高校の校庭に集まり、ミッションを確認するDMAT隊、自衛隊、県警の各員。

●多くの患者は歩行困難の状態
DMAT隊、自衛隊、県警の各員が集まったところで、ミッションを確認する。

福島第一原子力発電所の30km圏内にある医療施設などから、
バス、救急車、自衛隊救急車両、警察バスで川俣高校へ患者が来る。
今日は放射線サーベイランスや簡易診察だけでなく、
バスや救急車を乗り換えて患者を搬出させる。

もちろん、状態が悪かったり途中で体調を崩したりすれば、搬送中止となる。
そのために、体育館内の床にSCU(Staging Care Unit:広域搬送拠点医療管理所)として簡易ベッドを用意した。
ギリギリの状態で搬出させてくる病院に、整備された名簿を作る余力はない。

自衛隊には、搬入・搬出の車両と載せ換え場所の確保や誘導を依頼した。
県警には正門から体育館まで狭い一方通行を誘導してと頼んだが、姿が見えない。
DMATと災害医療センターの各員は、前日と同様にサーベイと簡易診察の班に分かれる。

高校の正門で車両と人数を確認、校庭内で所定の場所に車を誘導。
放射線サーベイ、医学的トリアージ、重傷者の引き抜き、名簿作成を施す。
受け入れ病院と調整をしながら、新しい車両に載せ換え、正門で行先を確認、搬出。
さらに途中で本部から「防災ヘリ確保」が伝えられ、重症者はヘリ搬送とした。