メキシコからのレスキュー隊の方々と(中央は筆者)

 今、現地は完全に亜急性期を脱しつつあり、必要なのはフィジカルケアに加え、メンタルケアを適宜提供できる能力だと私は考えます。文化や背景の異なる医療者に合わせる余力を、被災者の人たちは持ち合わせていません。

 「では日本人なら必ずできるのか?」と言われば違います。それでも、米軍基地が基地内病院に非日本人医療者を招へいし、そこに日本人患者を搬送する、という形ならともかく、いま現地で必要とされているのは、日本人医療者もしくは日本語(医療用語、日常用語ともに)を通訳なしで話せる海外からの医療者の派遣だと私は考えます。

 ただ、医療援助以外では、日本語を話さなくてもできることがたくさんあると思います。私が滞在した中学校には、メキシコからのレスキューグループが来ていました。10人ほどのチームに、かろうじて英語を話せるという方が2人いるだけでしたが、危険物がごろごろしている道なき道を歩いてがれきの山を捜索するという、私がしていることの何倍も危険なことをして、日本を支えてくれています。

 それでも、医療に限っては、2つの国(日本、アメリカ)で医療者としての経験を持つものとして、自分自身が患者として2つの国の医療に関わったものとして、やはり言葉の壁があるのは大きいのでは、と思います。

 今後はメンタルケアが、とても大事なものになってくると思います。それと、既存の医療システムや福祉システムの提供者への支援が非常に大事なのではないかと思います。地域医療に携わる看護師や保健師の方たちも、ご自身が被災者でありながら、24時間体制で被災者を支えています。

 私は外部支援者として行ったわけですが、今後の長期的な復興に向けては、地域に根ざして医療、介護、福祉を実践してきた地元の方々の力に到底及ぶものではないと感じています。この方々へ、どのように外部からの支援者が長期的に関われるか、みなさまのお知恵を頂戴できればと思います。

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