人のしなやかさ、たくましさを実感
 震災関連ニュースの多くは、悲惨な状況を伝えていると思います。それも事実ですが、私が実際に気仙沼の被災者の方々に触れて感じたのは、多くの人々がコミュニティーの力を最大限に活用し、助け合い、避難所の中で“新しい町”を作ろうとしている、ということです。都市部と異なり、近所付き合いといった人間関係がまだ濃い地域であることが幸いしたのでしょうか。

 中学校の家庭科調理室でおば様方が食事を作り、中高生が力仕事をし、お年を召した方が小さなお子さんの面倒をみているのを見て、人のしなやかさ、たくましさを改めて実感しました。

 また、自衛隊、救急隊、消防隊の方々のご活躍は、本当に素晴らしいです。黙々と、私には到底できないことをされていました。今まさに被災地や福島原発で働いている隊員さんがこのメッセージを見ていることはないと思いますが、感謝したいと思います。

長期線への構えが必要
 明確なのは、被災地への支援活動が長期にわたることです。長期にわたって、交代で現地での医療活動を継続するためには、医療者の数が足りません。TMATとしては、今後はロジスティクス、看護師、医師という編成のチームを作り、そのチームが順次交代することによって活動を継続していく方針とのことです。1チームの現地滞在期間は4日ほどになるということでした。

自衛隊や日本赤十字から救援物資が届いています

 関東から人を運ぶにも、車両、燃料、運転手2人が必要になります。長期戦に備えて、できるだけ効率的なチーム編成にし、メンバーが疲弊しない日数で交代して、必要ならまた同じメンバーを再投入するそうです。

 医療者不足を補うため、海外からの医療従事者の派遣という案も出ていますが、私個人の意見としては、日本語のできない医療者が現地に入ることはあまりお勧めしません。

 現地で医療者が絶対的に不足していることは間違いありません。今回、特別措置として海外の医療チームが被災地での活動を認められたことをかんがみれば明らかです。しかし現実に必要なのは、日本人の治療に独立して当たれる人材です。同時通訳者が必要になるような状況は、食料その他の資源が不足していることを考えると、あまり良いことではないと思います。