以上が仙台市内A病院救命救急部の医師からの報告です。

3月17日(木)22:19のメールから
 患者さんは病院に来たくてもなかなか来ることができず、ネット環境が整っている方は、電話がつながらないため病院にメールを送ってきます。それらに一つひとつ、対応しています。外来には、東北地方全域のほか、北関東や新潟などからの紹介患者が来ますが、通常、新患予約が取れるのは3カ月ほど先になるため、このような災害時でも受診される方があります。

 今日は山形県から5歳の女児が、仙台市内の被災地の近くからは4カ月の男児がやってきました。電話で連絡が取れないため、思い切って来てみたそうです。山形のお子さんの母親はガソリンがほとんど無く、帰れるかどうかも分からない中、最も燃費の良い軽自動車で雪の中をやってきました。

 4カ月の男児の母と祖母は被災し、親戚の家に身を寄せており、今日の受診のためにガソリンをギリギリまで温存して、この子のために今まで車を使わないできたと言っていました。着ている服は借り物のようでした。お風呂にも入っていないそうです(仙台市内でもガスが無いため、オール電化の家以外はお風呂には入れません。自分も例外ではありません)。

 お子さんのためには、家族は必死になります。それにお応えしなければと思います。震災から2日目に、外国籍で日本語がほとんど話せない家族の1歳のお子さん1が手術後退院の予定でした。車も持っていませんし、電車もバスも止まっています。どうしようか考えましたが、タクシーなら住所を書いた紙を渡せば連れて行ってもらえると考え、病院から出て看護師さんとタクシーを探し回りました。

 タクシーもガソリンが無いため大半は稼働していません。ガスを燃料とする車種も、電気が止まってガスステーションで燃料補給ができないため、稼働できません。偶然ガス欠で止まっていたタクシーの運転手さんを見つけたので、無線で燃料が残っている車を呼んでもらい、無事に退院させることができました。タクシーの運転手さん、夜勤で家に帰るところだったそうですが、事情を話したら快く受けてくれました。

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