投与中断後のリバウンドが見られない

写真2 Addison Tayler氏

 米テキサス州のベイラー医大内科教授のAddison Tayler氏(写真2)らは、降圧治療で標準的に用いられる薬剤とアリスキレンの併用療法の成績を報告した。一連の臨床試験結果から、利尿薬のヒドロクロロチアジド:HCTZ、カルシウム拮抗薬(CCB)のアムロジピン、ACEiのラミプリル、ARBのバルサルタンとアリスキレンの併用について、それぞれの単剤治療との比較成績を紹介、いずれの併用療法とも、単剤に比べてより大きな降圧効果が得られる傾向がみられたという。

 7つの無作為化二重盲検試験をプール解析した結果、6〜8週間の投与後、ラミプリル(10mg)、HCTZ(12.5mg、25mg)、アムロジピン(5mg)の単剤治療に対し、アリスキレン150mgまたは300mgの併用療法は、有意に大きな降圧効果が得られたことが分かった。

 また、2007年3月の米国心臓病学会(ACC2007)で、米アラバマ大学バーミンガム校教授のSuzanne Oparil氏が報告した大規模臨床試験で、1800人の患者を対象に、バルサルタンの単剤治療とアリスキレンの併用療法を比較したところ、アリスキレン、バルサルタンはそれぞれの単剤治療ではほぼ同じ降圧効果を発揮したが、併用治療では、どちらの単剤治療に対しても、有意により大きな降圧効果が得られたという。

 Tayler氏は、既存の降圧薬である利尿薬、CCB、ACEI、ARBとアリスキレンの違いを表す興味深いデータを示した。ラミプリル、バルサルタンを8週間投与した場合、血漿レニン活性(PRA)はプラセボ投与群に対して有意に上昇(HCTZでは上昇傾向のみ)したが、アリスキレンを併用した場合、逆にPRAは有意に減少した。アリスキレン単剤でも同様のPRA減少が見られた。

 一方、血漿レニン濃度(PRC)は、HCTZ、ラミプリル、バルサルタン、アリスキレンのすべてでプラセボに対して有意な上昇がみられた。

 アリスキレンの報告で参加者の注目を集めた特徴の一つが、投与中断後にリバウンドが見られないことだ。中断した時に血圧が急に跳ね上がるといった現象が見られず、数週間かかってゆっくりプラセボの水準に戻っていく。この特性をもたらすメカニズムについては、今のところ、十分明らかにはなっていないようだが、投与中止後のリバウンドが見られないことも好ましい特性と言えそうだ。