テレビからの映像通り、宮城沿岸都市は悲惨な状況です。

 一方、仙台市内は高層ビルを含め家屋の外壁にヒビがはいったり、一部が落下したりといった程度の被害で住む場所も多く、半壊、全壊している建物は比較的少ないように思います。火災に関しても一部で小火が見られましたが、現在は鎮火されています。東北大学病院一帯と市街地中心部から次第に電気、水道が復旧し始めています。

 かろうじて開店しているコンビニや少ない公衆電話には長時間並ぶ必要があり、携帯の充電も切れて情報収集が困難ではありますが、仙台市街地の一般市民の方々は意識的に通常通りの生活をしようと努めています。しかしながら夜間は、暖房設備もまだ不十分なため 凍える夜を過ごしています。

 私を含めた医療者自身、ラジオからローカル情報を部分的に得ることは出来ますが、おおむねテレビの限定的な情報源しか頼りに出来ていません。宮城県全体の被災状況、被災地における診療可能医師と人数を正確に評価したい医療者も多いだろうと推測します。

 東北大学病院内での現状は、院内エレベータは復旧し、各部門とも、限定的ながら稼働し始めています。救急外来には宮城沿岸水難被災地からは重傷外傷患者はほとんど来られていません。逆に本来は急患センター対応レベルの熱発などの軽症患者も散見されます。その一方で、一部の市立、国立病院には外傷患者や瀕死の患者、ブラックタグの患者が集中していると聞いています。来院前の時点での患者のトリアージがアンコントローラブルな状況なのだと思います。

 宮城県北の10数カ所の透析クリニックとは初め無線で通信していましたが、医療行為自体が不能となり、医療スタッフを始めほとんどのスタッフが撤退しています。透析可能な全ての中小維持透析病院(クリニック)でも、透析液や電力を数日分さえも確保できていない状況です。透析患者各個人との連絡手段も断たれており、維持透析患者が孤立しています。

 3月14日に入って急激に透析水や電気などが供給されるようになり、クリニックでの透析は次第に再開されつつあります。病院が倒壊した被災地を除き、その近隣の宮城県北の透析クリニックは3月14日から小規模ながら稼働を始めています。それに伴い、材料類(ダイアライザー、ヘパリン、フサンなどの透析関連薬剤)、MEなどの透析技師、看護師の需要が高まっています。

 しかしながら、透析可能な病院の絶対数が圧倒的に足りません。現在、大学病院を含む透析可能な一部の病院が24時間フル回転していますが、絶対数不明の地方都市からの維持透析患者が次第に増えてきておりパンク寸前の状況です。各患者で1度は透析を回せても、次回の透析場所が確定できなくなっています。山形や近隣県にも当院本部の透析ネットワークから要請して徐々に受け入れてもらっている状況です。透析可能な地方中核病院へ、透析患者を一時的に通院透析させることを検討していただきたく思います。