また、館内のどこかで水道管の破損があったようで、補助タンクから供給をはじめると漏水でフロアが水浸しになってしまいます。水道が回復したとしても館内への給水は不可能な状況です。

 壁面・天井損傷箇所で情報ケーブルの断線もあっているようで、外来フロアが業務システムのサーバに接続できなくなりました。これにより16日は館内での処方対応が難しくなり病院裏の駐車場にて処方対応させていただきました(写真5)。

 こんな状況でも、来られた患者さんの無事な姿を見て、言葉をかわし笑顔をかわせると、お互いに本当に安心できます。

 この日は、出勤できるスタッフのみで、処方対応と自力でできる範囲の復旧作業をいたしまして、終業いたしました(写真6)。

 スタッフも皆、一様に自宅でも病院同様の被災状況があり、片付けては余震で散乱する、家具が倒れ壁面が崩落する、といった状況で家の中では寝られる状況になく、車中生活や避難所生活を余儀なくされ、16日未明の本震で自宅が完全に倒壊した者もでてきております。

 震源が浅い活断層地震、ということで、揺れる時間そのものは短いのですが、今まで経験したことがない突然突き上げるような揺れで震度5〜6クラスの地震が毎日発生し、10〜20分置きに震度3〜4クラスの余震が繰り返され、震度1〜2クラスの余震については、すでに気にならない位の常態になりつつあります。

 断水の長期化で、被災地全域で飲料水が調達できない状況なのですが、水の都である熊本にあっては、本当に皮肉なことにその地下には阿蘇の伏流水が豊富にあります。この地下水脈が、ひたすら続く余震で地盤の液状化現象をもたらし、道路が地割れをおこし、泥水が噴き出す箇所も増えてきました(写真7)。

 これを見るたびに、インフラの寸断や、地盤沈下による家屋倒壊といった2次災害被災に対する危機感も募り、我々の心を不安定にしています。

 患者さんもスタッフも、熊本市民全員が、体力的にも精神的にも非常に厳しい状況にあります。余震が収まらないことには、復旧作業もままならない状況です。

 はやく余震がおさまりますように!
 これ以上、熊本の被害が拡大しませんように!
 被災された方すべての無事と安全を祈っております。
 本当に辛い状況ですが、なんとか皆で頑張って乗り越えましょう!!!

■後日談
 取材を通じ、陣内氏から新たな情報が寄せられましたので追記します。

 「その後、4月18日に建築会社の対応があり、倒壊の可能性はなし、余震が続けば3〜5階に関しては壁材の崩落がすすむが、1〜2階は修復すれば診療に使える、との判断がありました。
 現在、まずは館内1〜2階での完全な外来機能回復に向け、壁面改修、水道管・情報ケーブルなどのインフラ補修などの復旧作業を進めている状況です。
 ただ、当院は糖尿病専門医機関であるため、インスリン治療を行っている患者さんへのインスリン供給は絶対に断てません。現在、駐車場から病院倉庫とガレージに診療拠点を移して、医療相談、処方を継続しております。
 ありがたいことに、病院ブログの記事をみた関係各位や卸さんの協力にて1カ月分の物資が確保でき、お薬も製薬会社さんの協力にてお薬も安定供給いただいています。
 たくさんの方のご協力でこのまま継続できる見込みです。「支援がなければ絶対に乗り切れない」という現実を痛切に感じます。
 支援物資が届かない避難所や拠点施設がまだたくさんあります。各地からの支援物資が被災地全域にいきわたり、1日もはやく様々なインフラの障害が解消されることを願っています。」

理事長の陣内富男氏(左)と陣内秀昭氏

医療法人社団 陣内会 陣内病院の概要
開設:1977年4月
標榜科:内科、糖尿病内科、循環器内科、神経内科、眼科
許可病床数:38床
職員数:83人(医師8人、看護師38人、薬剤師2人、臨床検査技師6人、管理栄養士4人、放射線技師2人、臨床工学技師2人、事務スタッフ12人、その他9人)
陣内病院の病院理念:陣内病院の使命は、糖尿病の診療・検査・教育・研究によって、患者さん一人ひとりに適切な糖尿病治療を提供し、合併症予防と進展阻止を行い、患者さんに健康長寿を全ういただくことにあります。 私達は、糖尿病を持つ人々が「糖尿病のある豊かな人生」を実現するため、医の心を持って治療を行います。