3月11日に発生した東日本大震災では多数の医療機関が被災したが、主たる被災地以外の医療機関にはどのような影響があったのか。QLifeが同社のサービスを利用する全国の医師(東北6県と茨城県は除く)を対象に行ったインターネットアンケートによれば、「医薬品不足」と「停電」が日々の診療に大きな影響を及ぼしていることが分かった。

図1 東日本大震災の影響で、供給不足が心配な医薬品はある?

 今回の地震では、医薬品の製造工場が被災したほか、輸送に必要なガソリンの不足、交通網の寸断などにより、一部の医薬品が不足に陥った。このため、「供給不足が心配な医薬品・材料はある」と回答した医師は72%に上った。

 供給不足が懸念される医薬品として最も回答数が多かったのは甲状腺機能低下症などの治療薬「チラーヂンS」(30.1%)で、以下、「漢方薬」(15.9%)、子宮内膜症の治療剤「ディナゲスト」(15.7%)、経腸栄養剤「エンシュア」(11.2%)と続いた。

 チラーヂンSに関しては、製造元のあすか製薬が、4月8日から代替品の出荷を始めており、19日から本格的な出荷を開始するとしている(関連記事:2011.4.8「チラーヂンSの代替製品が出荷開始」)。また、あすか製薬によれば、チラーヂンSは4月下旬から通常の生産体制に戻る予定だという。

図2 供給不足が心配な医薬品は?(複数回答可)

 一方、「診療現場で、医薬品・材料の不足以外に、大震災の影響で今後心配なことはある」と回答した医師は52%。具体的には、「停電による機器/カルテ/レセコンなどの使用不能」(12.9%)、「停電による診療時間の制限」(11.2%)といった停電関連の不安が上位に挙がり、以下「放射線に関する問い合わせが増加」(8.0%)、「患者の減少(収入減少))」(6.2%)、「患者の増加(症状悪化、被災地や停電地域からの移送など)」(5.5%)と続いた。

 計画停電の対象地域の医師からは、「手術の予定が全くといっていいほど組めない」(診療所医師/栃木県)、「精密機器は故障が心配で、発電機での使用が難しい。そのため、レントゲンや内視鏡などの検査の予約を中止した」(診療所医師/神奈川県)など、通常の診療行為ができないという声が多数寄せられた。このほか、「停電で交通が不便になるため、患者数が減少している」(病院勤務医/東京)といった、経営悪化を懸念する声もあった。

 アンケートは2011年3月24日から4月2日にかけて、QLifeが全国の20代から60代の医師を対象に実施した(東北6県と茨城県を除く)。回答者は402人(診療所開業医157人、病院勤務医245人)。回答内容の詳細については、「院長.jp」サイト上にて公開中。