厚生労働省は4月11日、重松製作所、スリーエムヘルスケア、日本製紙クレシア、日本バイリーンのマスク製造4社から、使い捨て式の防じん用マスク7万枚を無償提供するとの申し出があったことを公表した。すでに重松製作所、興研、ドレーゲル・セイフティージャパン、山本光学から無償提供されている防じん用マスク2万枚と合わせて、建築物の解体、改修工事、がれき処理など、東日本大震災の復旧工事の従事者に配布される。

 震災の復旧作業に当たっては、粉じんなどによって咳や咽頭痛などの呼吸器障害を生じることが懸念される。また、築年数の古い建物にはアスベストが使われている可能性もある。阪神・淡路大震災の復旧作業においても、アスベストによる中皮腫は労災認定されている。

 これらを受けて、労働科学研究所研究部の吉川徹氏、北里大学医学部衛生学公衆衛生学講師の和田耕治氏らが委員を務める呼吸用防護具の研究会「フィットテスト研究会」は、防じんマスクなど呼吸防護具の重要性と、作業に見合った防護具を付けることを呼びかけている(記事末尾参照)。

 もっとも、防じんマスクなどの防護具は適切に用いなければ十分な効果は得られない。同研究会は、正しい装着方法とその確認の仕方(フィットテスト)を解説した動画をYou Tubeに公開している(http://www.youtube.com/user/fittest2009)。

復旧作業の従事者や管理者が知っておきたい、粉じん・アスベストに関する7つのポイント(フィットテスト研究会による)

1. 復旧作業(インフラなどを従前の機能に回復させるまで)にあたって、個人や作業者の健康を守ることが必須です。

2. 復旧現場では、ほこり(粉じん)、アスベスト、カビなどが呼吸器(肺や気管など)へ影響を与える可能性があります。そのため粉じん・アスベストに関する基本的知識を個人は学び、組織は必要な情報と呼吸用保護具などの提供を行います。また、必要な対策が継続して行われているかを確認します。

3. 復旧の現場における、ほこり(粉じん)にはどのようなものが含まれているかわかりません。アスベストやその他の有害物質を含んでいる可能性がありますので、できる限りほこり(粉じん)を吸い込まないようにします。

4. 復旧における作業では防じんマスクDS2以上(N95マスク以上)を推奨します。ただし、説明書などにもとづいた正しい装着(フィットテスト、フィットチェック)を行わないと効果が得られません。

5. 復旧作業にあたる組織は、防じんマスクDS2以上(N95マスク以上)を確保できるように努力します。また入手が困難な場合は、各自治体などにおいて地震や感染症対策としての備蓄からの放出を依頼しましょう。防じんマスクDS2以上(N95マスク以上)は数に限りがあるためこうした作業へ優先した配分が期待されます。

6. 異常なにおいや異変を感じたら、直ちに作業を中断し、退避します。

7. 復旧作業における呼吸用保護具の選択例は下表参照。なお、防じんマスクの規格は、http://www.jaish.gr.jp/horei/hor1-46/hor1-46-4-1-3.htmlを参照(労働安全衛生法令より)。