吉野眼科クリニックで掲示しているポスター(本ポスターを利用したい場合は、こちらのWordファイルをご利用ください。病院名や住所など自由に修正されて構いません)

 東日本大震災により眼鏡を紛失した人、コンタクトレンズのケア用品を紛失した人などに向けて、使わなくなった眼鏡や使い捨てコンタクトレンズを集めて寄付する動きが、眼科医の間で広がっている。

 呼びかけの中心は、吉野眼科クリニック(東京都台東区)の吉野健一院長と、近藤眼科台町クリニック(東京都八王子市)の近藤義之院長。自院に通院中の患者に対してポスターなどで告知したり、眼科医に向けて収集を呼びかけるメールを送っている。例えば、レーシック手術を受けた患者は、眼鏡が不要になって捨ててしまうことも多く、そういった患者に寄付を呼びかけている。

 集まった眼鏡などを被災地で配布する窓口機関となるのは、花巻中央眼科(岩手県花巻市)の高橋和博氏(協力大学:岩手医大眼科・黒坂大次郎教授)、近藤眼科(福島市)の近藤聖一氏(協力大学:福島県立医大眼科・飯田知弘教授、狩野麻里子医師)、東北大学病院眼科(中澤徹准教授)。寄付された眼鏡やコンタクトレンズは、ゆうパックで窓口機関に送付し、現地の眼科医の判断で被災者に渡される。また、協力大学は被災地での配布に協力するという。

 遠視用、近視用など、寄付の対象とする眼鏡やコンタクトレンズには特別な条件はない。ただ、日本コンタクトレンズ学会は、被災地において水道水が使用でき、安定した医薬品が供給され、眼科医へ受診できる状況が整うまでは、コンタクトレンズ装用の原則中止を求めている(「日本コンタクトレンズ学会よりのお知らせ」を参照)。被災者の中には期限を超えた装用を強いられ、失明につながりかねない危険な状況にある人も多いと予測され、コンタクトレンズ装用者のほとんどは「近視」であることから、近視用眼鏡についての高い需要が見込まれる。

 寄付について吉野院長は、「各自で窓口機関へ送付されても構わないが、輸送網が完全でないため現地に届かない可能性がある。また、窓口機関の作業が煩雑になることも考えられるので、できれば一度私に送っていただきたい。ある程度の数が集まったら私から責任をもって送付する方式でお願いしたい」と語る。

 なお、眼鏡の送付に際しては、汚れを取るとともに、送り主の連絡先の添付を求めている。送り主が眼科医の場合はこれらに加えて、「球面度数、円柱度数、PDを計測したデータを添付してほしい」(吉野氏)という。(添付するデータの記入用紙はこちらのひな形ファイルを参照)。

 「『遠視用』や『老眼鏡』も必要だが、場合によっては100円ショップなどで大量購入して送付することは可能。実際にウエダ眼科(山口県下関市)の植田喜一氏は100円ショップの老眼鏡200本を即座に寄付したと聞いている。しかし、近視用眼鏡は出来合いの製品がなく、作るのに費用と時間がかかる。ぜひ、不要になった眼鏡やコンタクトレンズの寄付を患者に呼びかけて欲しい」と吉野院長は話す。

【2011.4.18 追記】
吉野院長によると、この募集に集まった眼鏡は1000個を超え、すべてを岩手県、宮城県、福島県の被災地窓口に発送したとのことです。その結果、4月18日現在で宮城県と福島県から「充足宣言」が出たことから、寄付募集についても終了をしました。

吉野院長からのコメント「現在、岩手県を対象に発送中ですが、おそらく岩手県も全国からの寄付を受け、そろそろ充足されてくるのではないかと予想しております。従いまして、現在寄付していただいた分をもちまして、終了させていただきたいと思います。本当にたくさんの方々からご協力をいただき、誠に有難く、厚く御礼を申し上げます」

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