「不眠を訴える被災高齢者に睡眠薬を投与する時には、せん妄への注意を」―。国立精神・神経医療研究センターは、このほど開設した「東北地方太平洋沖地震メンタルヘルス情報サイト」(http://www.ncnp.go.jp/mental_info/index.html)で、被災者のケアに当たる医療従事者に向けてそんな注意喚起をしている。

 被災者は精神的なストレスから不眠を訴えやすい。その一方で、特に高齢者では、ストレスや急激な環境の変化、睡眠不足などからせん妄が出現しやすい。

 せん妄は、不眠症や認知症と誤診されることも多いが、一般的な睡眠薬であるベンゾジアゼピン系の睡眠薬や安定剤(抗不安薬)はせん妄への効果が乏しく、逆に症状を悪化させる場合もある。せん妄は特に震災後2週間以内の急性ストレス期に出現しやすいため、同時期に不眠を訴える高齢者の治療に当たっては、せん妄を見逃さないよう注意が必要という。これらの注意点は、同サイト内の「災害被災者への不眠症への対応」(http://www.ncnp.go.jp/pdf/mental_info_sleeplessness.pdf)に記載されている。

 同サイトは、このほかにも、子供や障害児を含めた様々な被災者への心のケアのあり方に関する情報を提供している。