英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)神経学研究所のLeo Bonati氏

 症候性の頸動脈狭窄患者を、血管内治療と外科手術による頸動脈内膜切除に割り付けたCAVATAS(Carotid and Vertebral Artery Transluminal Angioplasty Study)試験の8年にわたるフォローアップ結果が発表され、長期的にみても血管内治療(インターベンション)より外科手術の方が好成績であることが明らかになった。5月13〜16日に開催された欧州脳卒中学会の大規模臨床試験セッション2で、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)神経学研究所のLeo Bonati氏が報告した。

 CAVATAS試験では、1992年から97年にかけて患者を登録、症候性の頸動脈狭窄患者504人のうち251人を血管内治療(バルーンのみ、またはステント留置)に、253人を外科治療(頸動脈内膜切除術)に無作為で割り付けた。脱落などを除き、治療を完了したのは、血管内治療群が214人、外科手術群が252人、このうち、血管内治療群の196人と外科手術群の217人でduplex頸動脈超音波検査によるフォローアップが可能だった。

 治療後1年目までの高度狭窄(70%以上)と閉塞は、血管内治療で54人、外科治療では19人。外科治療に対する血管内治療のハザード比は3.6(2.1-6.0、p<0.001)と大きな差がついた。

 フォローアップ期間中、血管内治療群、外科手術群とも5年超まで再狭窄がみられた。8年間のフォローアップ期間における再狭窄率は、外科手術が14%だったのに対し、血管内治療では34%と多かった。

 ただし、血管内治療群をステント留置の有無で分けた場合、ステント非留置群では146人中47人、外科手術に対するハザード比が4.2(2.5-7.1、p<0.001)と、再狭窄が有意に多かったのに対し、ステント留置群では50人中7人、同ハザード比が1.8(0.8-4.3、p=0.19)と、外科手術に対する有意差はみられなかった。長期フォローアップ期間中の再狭窄率も、ステント留置群では17%、ステント非留置群では39%と差が付いた。

 再狭窄リスクは、喫煙によって大幅に高くなった(ハザード比2.7:1.3-5.7、p<0.01)。喫煙以外の性・年齢、血管リスク要因、血圧、冠動脈疾患、治療以前の狭窄の程度などとの有意な関連はみられなかった。

 治療1年目以内の再狭窄と、その後のフォローアップ期間中(治療後1〜8年目)の脳血管イベント(同側の脳梗塞、TIA、一過性黒内症)発症の関係を調べたところ、非再狭窄群では315人中27人だったのに対し、再狭窄群では52人中10人と、再狭窄群で有意に多かった(ハザード比=2.4:1.2-5.0、p=0.02)。しかし同側の脳卒中だけの発症については、非再狭窄群では315人中13人、再狭窄群では52人中4人で、有意な差はみられなかった(ハザード比=1.9:0.6-6.0)。