脳卒中発症後に行われていた2次予防のための投薬は、再発時の治療に当たった医師によって、実に52%が不適切とみなされていた。スウェーデンの脳卒中センターに再発で入院した患者を対象とした研究で明らかになったもので、2次予防の難しさを改めて示すものと言えそうだ。スウェーデン・Malmo大学病院のJesper Petersson氏らが5月13〜16日に開催された欧州脳卒中学会で報告した。

 Petersson氏らは、スウェーデンの脳卒中センター23施設に入院した脳卒中再発患者を前向きに登録しているRESQUE(the Recurrent Stroke Quality and Epidemiology)研究の一環として、虚血性脳卒中の再発で入院し、生存退院した758人を対象として、前回の発作後に再発予防のために行われていた投薬と、再発入院後の投薬を比較した。

 結果は、再発時の医師によって、52%の患者が「再発予防として不適切な投薬」を受けていたとみなされた。不適切な予防を受けていたと判断された患者の91%は、投薬内容が変更されていた。適切とみなされた患者では投薬変更は46%に過ぎず、有意な差があった(p<0.001)。

 “不適切”群では抗血小板薬が高頻度で変更されていた。なかでも再発前にアスピリンを投与されていた182人のうち、再発後退院時にもアスピリンの投与を受けていたのは108人(59%)に過ぎず、28人(15%)がクロピドグレルに、42人(23%)がアスピリン+ジピリダモールに変更されていた。

 ワルファリンの使用は再発前には年齢によって0〜15%、再発後でも10〜20%とわずかで、心房細動の有病率が3〜6割と多い75歳以上の高齢者では使用率がむしろ少ない傾向にあった。

 降圧薬の使用は、再発前に比べ、再発退院時には増える傾向にあった。そのうち、男性ではアンジオテンシンII受容体拮抗薬ARB)が、男女ともアンジオテンシン転換酵素ACE)阻害薬の投与が有意に増えていた。

 また、合併症によって、“適切な予防”と判断される割合が変わるかどうかを確かめたところ、高血圧(n=424)はオッズ比0.64(95%CI:0.48-0.86)、高脂血症(n=218)は0.70(95%CI=0.51-0.96)と有意に低く、降圧薬高脂血症薬の投与が“不適切”と判断されているケースが多い可能性を示唆するものだった。

 Petersson氏らはこうした結果をもとに、「本研究で対象としたような高リスク群の患者に対しては、よく知られた予防戦略を厳格に適用する必要性がある」と締めくくっていた。