一過性脳虚血発作TIA)の患者で、発症後に発作と軽快を繰り返す場合、短期間のうちに脳卒中を発症するリスクが高いことが示された。5月13〜16日に開催された欧州脳卒中学会で、ドイツ・ハイデルベルグ大学医学校マンハイム病院神経内科のAnastasios Chatzikonstantinou氏が、TIA疑いで入院した患者を対象とした研究成果として報告した。

 研究グループは、2006年の1年間に、自院の脳卒中病棟にTIAで入院した連続122人(平均67.3歳、男性62.3%)を対象とした。対象患者の症状の継続時間は、(1)2時間未満(40%)、(2)2時間を超える(29%)、(3)発作と軽快を繰り返す(27%)、(4)不明(4%)だった。

 TIAによる入院期間中(平均7±4.8日)、11人(9.0%)が脳血管イベント(脳卒中)を発症した。発症者の8割に当たる9人は、発作・軽快の反復がみられた患者で、有意に多かった。入院時に行った画像(CT/MRI)検査では23人(19%)に新規梗塞領域がみられたが、脳卒中発症と有意な関連性はみられなかった。

 Chatzikonstantinou氏らはこれらの結果から、発作・軽快を繰り返す不安定なTIA患者は、脳卒中病棟で数日間、経過をみるべきと指摘した。